昭和40年代の東宝「8.15シリーズ」
昨日15日NHKBSで放映された映画「日本のいちばん長い日」を録画して観た。
昭和42年の作品なので、当時小学2年生で自分は観たわけではない。それでも中学生の頃までには観たようなそうでないような、覚束ない感じだったのだが、反乱兵が上官と争う中で、首が斬り飛ばされる場面があり、これはかすかな記憶があったので、観たことはあるのかもしれない。でも、それ以外は忘れてたので、ほとんど初めて観るのに近かった。(苦笑)
何というのか単純に、迫力あるなあと。最近の戦争映画(これはクーデター未遂映画か)に比べると、俳優の演技にもリアリティあるし。終戦からまだ20年過ぎた頃の作品だからなのだろうか。
それにしても玉音放送の内容、終戦の詔書の文言を短時間で作るのは大変だったと思われる。映画には、「戦局必ずしも好転せず」の部分を巡り、阿南陸軍大臣と米内海軍大臣が対立する場面が出てくる。結局、別の表現を主張していた米内が譲ることで決着する。
この「日本のいちばん長い日」から東宝は「8.15シリーズ」と称して、夏に戦争映画の大作を公開するようになり、昭和43年「山本五十六」、昭和44年「日本海大海戦」と続く。山本五十六も東郷平八郎も、三船敏郎が演じた。「山本五十六」は当時観たような覚えがある。
昭和45年は「軍閥」。これは当時、小学5年生で自分は観た。戦車が出てくると期待して行ったのだと思うが、2.26事件の描写や、特にサイパン島玉砕の場面は、ややトラウマ気味になるなど、何だか暗くシリアスな映画という印象が残っている。
昭和40年代の「8.15シリーズ」では、劇映画として「東京裁判」が企画されたが、費用面から取りやめになったようだ。それが昭和50年代に入って、記録映画に形を変えて、「東京裁判」をテーマに作品が製作される流れになったらしい。その作品が、昭和58年公開の「東京裁判」だ。
昨日は東劇で「東京裁判」を観て、今日は「日本のいちばん長い日」を観て、気分は戦争の時代どっぷり。当時の政治家や軍人の名前を改めて覚える、戦後80年の夏なのだった。
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