2025年12月22日 (月)

驚異のグラハム・ボネット

グラハム・ボネット・バンド(GBB)の新しいライブ盤『ロスト・イン・ハリウッド・アゲイン』(CD+DVD)が出た。2024年8月29日、アメリカ「ウイスキー・ア・ゴーゴー」におけるライブを収録。

全16曲中ドラム・ソロなど3曲を除き、グラハムが歌う13曲の内、レインボーの楽曲が6曲と半数近くを占める。残りはマイケル・シェンカー・グループ2曲、アルカトラス1曲、ソロ時代2曲、そしてGBB2曲。バンドから追い出された?せいなのか、アルカトラスは1曲だけ。リッチー・ブラックモアに見出されて、ハードロック・シンガーとしてのキャリアの起点となったレインボーの曲を中心とした構成となっている。GBBの2曲以外は、大体1980年頃の作品。

グラハムは明日12月23日、78歳の誕生日を迎えるとのこと。ライブ収録時でも76歳で、「後期高齢者」のハードロック・シンガーというのは驚異的(ちなみに今年、引退を発表したデイヴィッド・カヴァーデイルは74歳)。グラハムが不思議なのは、「ヘヴィメタルは嫌いだ」と言ってたはずなのに、結局ハードロックを歌い続けているところ。まあ本人は「嫌い」なのかもしれないが、人から期待されているのはハードロックのグラハムなので、やり続けているのかなと思う。

一方、グラハムの古巣になってしまったアルカトラスも、先日新譜『PRIOR CONVICTIONS』を出していたが、こちらは全11曲中、新曲は2曲のみ。残りはイングヴェイ・マルムスティーン時代、スティーブ・ヴァイ時代の楽曲を、現メンバーの演奏で再録音したもので、セルフカバーによるベスト盤という感じ。いちおうバンド結成時のメンバーがいるにしても、グラハム抜きだと何だかトリビュートバンドの作品みたいでもある。(苦笑)

グラハムにしてもアルカトラスにしても、40年以上も前の楽曲を中心に活動している感じだが、単純にその頃の曲の出来が良いわけだから、全然それで結構だと思う。グラハムは、人間関係としては色々あったかも知れないが、リッチー、マイケル、イングヴェイに感謝しているだろうな。

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2025年12月14日 (日)

「ヘヴィメタルはゴミじゃ」(渋谷陽一)

昨日13日午後に放送された、NHKFM番組「今日は一日“渋谷陽一”三昧」。午後3時頃から伊藤政則、大貫憲章が出演。何しろ渋谷陽一と合わせて、いわゆるロックの三大評論家と呼ばれた両氏である。出演中の30分間は、自分的には一番関心を持って聴いた時間帯。

1980年代から、伊藤政則は主にヘヴィメタルの評論活動に入っていたのに対し、渋谷陽一は「ヘヴィメタルはゴミじゃ」と一蹴。伊藤氏がその真意を尋ねると、偉大なレッド・ツェッペリンがヘヴィメタルと一緒くたに語られるのを嫌って、「ヘヴィメタルはゴミ」発言で一線を引いたのだという。つまり渋谷陽一の戦略的発言だったというお話。

ツェッペリンは「ハードロックの王者」とも呼ばれたが、ハードロックというジャンルは80年代にヘヴィメタルに変化したという経緯もあり、ツェッペリンはツェッペリンという特別な存在であって、ヘヴィメタルとは全然別物なのだということを強く言わんがため、だったということだ。ツェッペリンはヘヴィメタルではない、と単純明快に言わないのが渋谷陽一らしい?ところかな。

私見では、ヘヴィメタルは、パンクロックを通過した後のハードロックというか、パンクの持つ攻撃性を中心に組み立てられていたように思う。対してハードロックは、ブルース、ジャズ、クラシックといった多様なジャンルを取り込んでいたから、音楽性という意味では、ヘヴィメタルはハードロックよりも後退していた感じがする。

特にブリティッシュ・ハードの音楽性は豊かで、考えようによっては、いわゆるプログレも「複雑極まりないハードロック」と捉えても良いと思う。そんな音楽性豊かなハードロックの頂点に立つ、さらにはハードロックを超えてしまったとも言えるのがレッド・ツェッペリンだとすれば、ヘヴィメタルなんかとつなげるのは大間違いだ、という渋谷陽一の思いも理解できる。

まあとにかく、60年代70年代、ロックが勢いとエネルギーを持って大展開していった時代は、渋谷陽一の死と共に記憶から歴史になった、と言えるかも知れないなあ。

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2025年8月30日 (土)

『ライヴ・イン・ジャパン』決定版

ディープ・パープル『ライヴ・イン・ジャパン』の「スーパー・デラックス・エディション」(CD5枚+ブルーレイ1枚)が出た。『ライヴ・イン・ジャパン』(日本以外のタイトルは『メイド・イン・ジャパン』)オリジナル盤のリミックスに加えて、その基である1972年の初来日公演3日間(8月15、16、17日)の音源(本編とアンコール)等を収めた、おそらく「最終完全決定版」といえるもの。

3日間の音源はだいぶ以前に商品化されてはいたが、自分は「パープルだったらあらゆる音源を聴きたい」というマニアでもなかったので、スルーしていた。ということで今回初めて聴いたのだが、LP時代の曲順は実際とは異なっていたものが、当日の演奏順に直されているとか、演奏内容自体も聴き慣れていたオリジナル盤とは異なる部分が多々あり、正直「新鮮」(50年以上前の音源だけど)な感じがした。

(イアン・ギランの言葉)
「初日の晩は皆、その前日にイギリスから来日したこともあって疲れ切っていた」
「東京での最終日の音源は、使えたもんじゃなかった。最高のパフォーマンスだったけど、音が良くなかったんだ。だから2日目のものを採用した」

実際にアルバムに収録されたのは初日(大阪)1曲、2日目(大阪)4曲、3日目(東京)2曲だったので、聴き慣れていないという意味で「新鮮度」が高いのは、初日と3日目。演奏の出来不出来や音質の良し悪しはあるのかも知れないが、自分はその辺の拘りが余り無いせいか、どの日も凄い演奏だと唸るばかりだ。

広瀬和生の解説によると、72年来日時のディープ・パープルは「決して良い状態ではなかった」という。もうその時点で、既にリッチー・ブラックモアとイアン・ギランの仲は相当危ういものになっていたのだが、それにも関わらず、来日公演自体は誰もが認める最高のパフォーマンスとなったわけで、そこがこのバンドの摩訶不思議なところ。

50年前の高校生である自分は当時、『ライヴ・イン・ジャパン』を、これは3年前のライヴか、などと思いながら聴いていたわけたが、今では53年も前のものになってしまった。ただただ唖然とする。しかし現に聴いている時は、50年という時の流れは殆ど忘れて聴いているわけで、それも何だか摩訶不思議なものだなと感じる。

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2025年7月23日 (水)

渋谷陽一の訃報

音楽評論家の渋谷陽一氏の訃報が伝えられた。7月14日死去、享年74歳。知らなかったけど、一昨年11月に脳出血で入院、その後療養及びリハビリ生活だったらしい。

50年前の高校生である自分にとって、渋谷陽一といえばNHKのFM番組「ヤングジョッキー」である。NHKのサイトから、番組内容の説明を引用する。「放送年度:1976~1978年度 最新のロックと音楽情報を紹介するディスクジョッキー番組。ディスクジョッキーは渋谷陽一。初年度はFM(日)午後9時からの60分番組。1977年度は(土・日)の週2回に増設された。」

レコードを好きなだけ買えるはずもない高校生にとって、「ヤングジョッキー」は音楽雑誌(「ミュージック・ライフ」か「音楽専科」)と共に、ロックの重要な情報源だった。日曜日夜9時からのFM番組を、必死でエアチェック(FM放送を録音すること。死語ですね)していたなあ。

渋谷陽一といえば、雑誌「ロッキング・オン」。といっても、自分は「ロッキング・オン」を、まともに読んだことはなかったと思う。でも昔、渋谷陽一が「クイーンのロジャー・テイラーの写真を表紙に使ったら、売れたので有難かった」とか言ってた記憶はある。(苦笑)

そして渋谷陽一といえば、当然ロック評論家。とりわけレッド・ツェッペリンを圧倒的に高く評価していたのだが、とりあえず自分が「なるほどー」と思ったのは、キング・クリムゾンの話だけど、「アンコールで『21世紀の精神異常者』を演奏するのは、彼らの自己確認である」と語っていたこと。とっても感心したんだけど、後々になってから、「自己確認」って言葉は何にでも使えそうだなあ、って思った。ベタに言えば、人生とは自己確認である、とか(苦笑)。(そうだ、今は「精神異常者」じゃなくて「スキッツォイド・マン」なんだよな。くだらない改変だなあ、といつも思う)

渋谷陽一の業績は数多あるのだろうが、50年前の高校生にとっては、70年代におけるロックの伝道師であったことが、最も偉大な功績として記憶される人物なのであった。R.I.P.

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2025年6月 8日 (日)

「BURRN!」編集長の講座

先日6月6日金曜日の夜、新宿の朝日カルチャーセンターで、広瀬和生氏を講師とする講座(「BURRN!」編集長が語るリッチー・ブラックモア)が開催された。(写真は、講座終了後の期間限定配信の画面)

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当初、この講座を発見した時は、とっても意外に感じた。何しろ朝日カルチャーセンターである。何で?という感じ。どうも広瀬氏は落語の研究家でもあるので、その関連でカルチャーセンター講師として出入りしていたらしい。

とはいえシニアが集まるイメージのカルチャーセンターで、リッチー・ブラックモアの話を聞くことになるとは・・・。しかし考えてみれば、リッチーに興味がある人は既にシニアなのだった。(苦笑)

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2025年4月21日 (月)

レインボーのトリビュートライブ

本日の夕刻、六本木のEXシアターに足を運び、リッチー・ブラックモア・トリビュート・コンサート(レインボー編)を観た。(企画はテレビ朝日と「BURRN!」誌。写真は公演終了直後のステージ)

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内容は、ボーカルがロニー・ジェイムス・ディオの時代がメイン。「ライブインミュンヘン1977」の全曲演奏プラス、アンコールでグラハム・ボネット時代のアイズオブザワールド、ロストインハリウッド、そしてジョー・リン・ターナー時代のスポットライトキッズを演奏した。特にドラムの本間さんの、コージー・パウエル再現度が高かったように思う。ボーカルの下山さんは、ロニーというより、グラハム寄りの声だなという印象。自分はロニーよりもグラハムの声が好きなので、オッケーです。

まあレインボーなので、「ミュンヘン77」を取り上げるというものなのかも知れないが、あんまり決め打ちしなくてもいいような・・・。ロニー時代なら、スターゲイザーや、ゲーツオブバビロンも聞きたいと思うわけだし、さらに言えば、ロニーにこだわらず、グラハムのモンスターズオブロックの再現も聞きたいなと思うので、その辺は今後の企画に期待したいと思います。

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2025年2月17日 (月)

ハードかつプログレなロックが最高

雑誌「Burrn!」の2月号と3月号に掲載された論考「ヘヴィ・メタルとプログレッシヴ・ロックの相関関係」には、60年代~70年代のハードロックとプログレッシヴロック両者の要素を併せ持つバンドが数多く紹介されているが、とりあえず超メジャーバンドに関する言及をメモしてみる。

1966年にアルバム「FLESH CREAM」でデビューしたCREAMをプログレッシヴ・ロック・バンドとする傾向は殆ど見られないが、サイケデリック・ロックやブルーズ・ロックがハード・ロックへと進化を遂げていく過程において彼らが果たした役割は極めて大きいと言える。

1969年、ヘヴィ・メタル/ハード・ロックとプログレッシヴ・ロックの双方にとって、絶大な影響を及ぼすことになるバンドが登場した。アルバム「IN THE COURT OF THE CRIMSON KING」でデビューを果たしたKING CRIMSONである。

LED ZEPPELIN、DEEP PURPLE、URIAH HEEP、BLACK SABBATHについて、プログレッシヴ・ロックと呼ぶ傾向は主流とは言えないにせよ、60年代後期から70年代初期というロック音楽にとっての最大の変革期において、それらの4組はそれぞれ他のバンドの先を行くもの、斬新なサウンドを生み出すべく心を砕いていた。そういう意味合いにおいて、彼らも言わばプログレッシヴなロック・バンドだったことは明らかである。

欧州大陸出身のプログレッシヴ・ロック・バンドとしては最大の成功を収め、且つヘヴィ・メタル/ハード・ロックのバンド達にも影響を及ぼしたバンドとして最初に挙げておくべきは、オランダのアムステルダムにて1968年に結成されたFOCUSである。

アメリカン・プログレッシヴ・ハードというカテゴリーで語られることも多いKANSAS、STYX、BOSTON、JOURNEY等が、北米シーンを席巻し始めたのは70年代中期のことだ。プログレッシヴ・ロックと形容されることは少ないはずだが、元祖ヘヴィ・メタルと目されることも多いBLUE ÖYSTER CULTも独自の音楽的進化を遂げた存在の一つだ。

QUEEN、RAINBOW、JUDAS PRIESTらが人気を博していた70年代中期の英国において、ハード・ロック及びプログレッシヴ・ロックはそれぞれジャンルとしては縮小化していったことは、これまで度々語られてきたとおりである。U.K.は70年代プログレッシヴ・ロック最後のスーパー・グループとして人気を博したが、スタジオ盤2枚のみで崩壊してしまう。

・・・そして1980年、「ハード・ロックとプログレッシヴ・ロックの要素を折衷させたうえでパンク・ロックのエッジを利かせた完全に新しいサウンド」でデビューしたのが、アイアン・メイデンだった。という流れです。

70年代ティーン・エイジャーである自分にとって、ブリティッシュ・ハードロックとプログレッシヴロックは、音楽の最上位にあります。クリムゾンはハードロックでもあり、ゼップはプログレッシヴでもあるという考え方は、素直に首肯できるものです。

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2025年2月 4日 (火)

「怪盗エロイカ」はロック・スター

青池保子の「エロイカより愛をこめて」は、名作マンガとしての地位を不動のものにしていると思われる。その主人公、「怪盗エロイカ」こと「ドリアン・レッド・グローリア伯爵」のモデルは、ロックバンド、レッド・ツェッペリンのボーカリストであるロバート・プラントであることは、周知の事実。『青池保子『エロイカより愛をこめて』の世界』(平凡社)の中で、音楽評論家の東郷かおる子の語るところをメモする。

当時の少女漫画誌の巻末には、漫画家の近況報告が掲載されていたのですが、そこにロック・ミュージシャンがよく登場し、「少女漫画家たちもロックが好きなのね」とは思っていました。また、萩尾望都さん、大島弓子さん、木原敏江さんといった少女漫画家が、自分の作品にちょこちょこキャラクターとして、クイーンのフレディ・マーキュリーやデヴィッド・ボウイを登場させていたのも面白かった。それでも、青池保子さんの『エロイカより愛をこめて』には驚きましたね。主人公の伯爵の姿は、レッド・ツェッペリンのボーカリスト、ロバート・プラントそのものでしたから!

ロバート・プラントは、ゴージャスな金髪巻き毛の長身ハンサムで、実に美しい。「70年代を代表するセックス・シンボル」とも称されています。でも、「少女漫画から抜け出たよう」というには、ライオンのように力強くシャウトし、野性的で男っぽい。そんなワイルドなロック・スターを少女漫画の主人公に仕立てたところは、「少女漫画の枠を超えた硬派」で知られる青池保子さんの面目躍如といったところでしょうか。

・・・確かに、少女マンガのキャラとしては、クイーンのメンバーの方がそれらしい感じはするのだが、やはりロバート・プラントはあの金髪巻き毛のゴージャスな感じが「伯爵」に相応しい、ということだろうか。「エロイカ」には、レッド・ツェッペリンのギタリストであるジミー・ペイジも、ケチと噂された性格が極端化されて登場、「ドケチ虫」と呼ばれて笑いを取るキャラになっている。また、ツェッペリン後期の名曲「アキレス最後の戦い」のタイトルを冠したストーリーもある。などなど、自分のような70年代ティーンエイジャーには共感するところ大なのだが、それでも少女マンガ家がクイーンじゃなくて、ゼップなのかあ~という驚きも感じるところだ。

ロックだけではない。戦車や戦闘機などのメカ、「パンツァーリート」(戦車隊の歌)とか、ミリタリー関連のネタも出てくる。そもそも、お話のベースはスパイ・アクション物である。という具合に、男子の関心も引き付ける「エロイカ」は、よく言われるように「少女マンガの枠を超えた」作品であると思う。

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2025年1月30日 (木)

「ミスタージミー」の映画

映画「MR.JIMMY」を観た。伝説のロックギタリスト、ジミー・ペイジ。その演奏はもちろん、機材や衣装等も含めて完全再現することに人生の全てを捧げる「ジミー桜井」こと桜井昭夫さん。その活動を追ったドキュメンタリーである。

ロックの映画ではあるが、意外と淡々と進む印象。ジミー・ペイジのライブ、その全ての再現を目指す桜井さんが、機材や衣装の細部まで、エンジニアやデザイナーと打合せする等の、地道な取り組みが映し出される。そして、遂にジミー・ペイジと出会い、本人からの絶賛を得て、アメリカへと渡り、レッド・ツェッペリンのコピーバンド「レッド・ゼッパゲイン」に加入。いよいよ怒涛の展開かと思いきや、ゼップ・サウンドの完全再現を目指すジミー桜井の職人的な拘りと熱量は、バンドメンバーとの軋轢を生んでしまう。思うように自分の理想を実現できないジミー桜井。その表情には疲労の色が浮かぶ。

この辺は、そうなるだろうなーという感じのするところ。ペイジのギターの再現は、ジミー桜井一人でやれるわけだが、バンドの音楽の再現は一人ではできないわけで、ジミー桜井と同じ考え方、かつ実力を兼ね備えたメンバーが必要になる。しかし、そんなメンバーを探し出すのは簡単ではないよな。

伝説のバンドのサウンド完全再現には、ビジネス面と時代性からの懸念が付き纏う。単純に考えれば余りにもマニアックなわけで、こんなパフォーマンスを求める人がどれだけいるだろうか。想定されるマーケット規模からも、儲かるとは思えない。そして、再現対象は50年前の音楽、下手をすれば「時代遅れ」の烙印を押されかねない音楽であり、はたして今の時代に、当時の音楽を当時のまま演奏することにどれだけ意義があるのか、と問われるのも避けられない。要するに「今なぜツェッペリン?」だ。

しかしジミー桜井の信念は揺らがない。なぜなら、ジミー・ペイジは問答無用で最高なんだから。自分を無にして作り上げた「ジミー・ペイジ」を、オーディエンスにプレゼンする活動は今も続く。自分のバンド「Mr.Jimmy」で演奏し、そしてジョン・ボーナムの息子であるジェイソンとのツアーも行っているという。

思うに、「ジミー・ペイジ」の再現は、ギターのテクニックとサウンドがクリアできれば、充分OKだろう。でも、「レッド・ツェッペリン」を再現しようと思ったら、ネックになるのは「ロバート・プラント」だろう。歌もそうだけど、あんなルックスの人、見つけてくるの大変だぞ。(苦笑)

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2024年8月25日 (日)

ベビーメタル・ザ・ムービー

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ベビーメタルの沖縄ライブの映像化作品「BABYMETAL LEGEND-43 THE MOVIE」(43はシーサーと読んでる)を観た。やっぱり映画館で観ると、実際のライブに近い臨場感が得られる(いわゆる「応援上映」も設定されている)し、90分間圧倒されっぱなしというか、とにかくロック・ショーとしては完璧という感じ。音・光・色の洪水の中で、それこそ「唯一無二」の世界観というやつが極限まで展開されて、ライブ会場が熱狂の渦に巻き込まれていく有り様は戦慄的とすら言える。そのライブの破壊力は、その辺のヘビメタバンドを遥かに凌駕するものであり、「女性メタルダンス・ユニット」という、そんな生易しい定義に収まるものとは到底思えない。

オープニングは「BABYMETAL DEATH」。他にも「ギミチョコ!!」「ヘドバンギャー!!」など初期の曲も披露されていたが、「イジメ、ダメ、ゼッタイ」はやらなかった。さすがにこれは、もうやらないということか。ちょっと聴きたかった気もするが。(苦笑)

一時、正式メンバーは二人になっていたが、昨年2023年から三人に戻っている。昔は、メタル+アイドルというコンセプトとか、ベビーという名前とか、ダンスの激しさとか、これだとメンバーがとにかく若い人でないとやれない感じがして、そんなに長く続けてやるもんじゃないのかな、と思っていたが、「世界征服」開始から既に10年以上が過ぎて、やっぱり「唯一無二」という言葉を使うしかないというか、「ベビーメタル」というバンド=ジャンルを確立しているという印象だ。

そうなると、ボーカルのクールビューティなスーメタルさんはまだ26歳ということだし、ベビーメタル、まだまだ活躍は続きそうである。

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