米軍基地は国連軍基地
先週末の土曜日朝、たまたまNHK「チルシル」を見たら、在日米軍基地を取り上げていて、子供向けニュース番組で随分ハードなテーマをやるんだなーと意外感。解説する人は川名晋史・大東文化大学教授。以下にメモするのは、雑誌「ウェッジ」7月号で読んだ、米軍基地についての川名先生の見解の一部。
沖縄に基地が集中した理由は安全保障だけではなく、政治的な理由もあります。歴史的にみれば、本土で〝厄介者〟とされた部隊が沖縄に移っています。現在の在沖米軍の7割を占める海兵隊がまさにそうです。
それだけではありません。普天間、嘉手納、ホワイトビーチは「国連軍」の基地でもあります。朝鮮戦争が休戦した後のことですが、日本は米、英、豪、比など11カ国との間で国連軍地位協定を結びました。それを根拠として11カ国は今も日本の7カ所米軍基地を国連軍基地として利用できます。本土では横田、横須賀、座間、佐世保がそうです。朝鮮有事となれば、それらの基地は国連軍にとって重要な出撃拠点、兵站拠点に変貌します。メディアでは報じられませんが、辺野古の新基地も完成次第、国連軍基地に指定されるはずです。
戦後、日本本土の問題の多い基地は沖縄に移りました。なぜ可能だったかといえば、沖縄が米軍の統治下にあったからです。善しあしは別にして、沖縄の民意を汲み取る必要がなかったのです。
大事なことは、日本防衛においては自衛隊が「主」で、米軍は「従」だということです。それを前提とした時に、現状の基地負担が本当に日本にとって割に合うのかということです。割に合うのなら問題はないですが、そうでないなら日米関係にはアレンジが必要で、それには政治のリーダーシップが不可欠です。
基地問題は沖縄の問題であると同時に、日本の「主権」の問題です。かつての日本にはそうした認識を持つ政治家が少なくありませんでしたが、現在はどうでしょうか。
・・・朝鮮戦争後に米軍基地は国連軍基地にもなり、沖縄が本土復帰するまでの間に基地が集中する結果に・・・。沖縄のことをマジメに考えていた総理大臣は、橋本、小渕あたりまでか。橋本は普天間基地返還(もう29年も前になる)、小渕は沖縄サミット(2000円札の守礼門図柄も?)。しかし21世紀に入ったら鳩山以降はグズグズに。石破さんが何かやるかなという期待もあったが、その前にやることが多すぎて、結局もう辞めるし・・・。
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