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2025年8月 5日 (火)

「平和を祈る」だけでいいのか

原爆投下は、戦争を終わらせることが主目的だったのか。以下に、広島平和記念資料館(東館「核兵器の危険性」)の説明パネルの文章から引用する。

「1945年(昭和20年)春以降、日本の戦況が圧倒的に不利の中、アメリカには長引く戦争を終結させるための手段として、1945年11月に予定していた日本本土上陸作戦のほか、ソ連への対日参戦の要請、天皇制の存続を保証し降伏を促すこと、原爆の使用などの選択肢がありました。こうした状況の下、ソ連の対日参戦の前に原爆の投下により戦争を終結することができれば、戦後、ソ連の影響力が広がるのを避けられ、また膨大な経費を使った原爆開発を国内向けに正当化できるとも考えました。」

「1945年(昭和20年)7月、アメリカのハリー・トルーマン大統領は、ドイツ・ポツダムでイギリス、ソ連の首脳との会談の会期中に原爆実験の成功を知りました。7月25日、アメリカは日本への原爆投下命令を発し、翌26日には、アメリカ・イギリス・中国の3カ国は日本に無条件降伏を求めるポツダム宣言を発表しました。ポツダム宣言には、日本が降伏するために重要と考えられていた天皇制存続の保証が記されず、また、原爆の存在や使用を暗示する言葉もありませんでした。日本はポツダム宣言を受諾しませんでした。」

そして何の警告もなく、広島、長崎に原爆が投下された。戦争を終わらせるためというよりは、多大な開発費用をかけた新兵器の破壊力と殺傷力を確認するために。そして、アメリカの次の仮想敵国であるソ連に対するデモンストレーションのために。

原爆投下が国際法違反、戦争犯罪であるという日本側からの表明は、原爆投下後の最初期に発せられただけだ。以下に、東京都写真美術館の企画展「ヒロシマ1945」の説明パネルの文章から引用する。

「8月9日、本社が壊滅した中国新聞は3日ぶりに代行印刷で新聞発行を再開した。中国新聞など国内各紙は、日本政府がスイスを通じ、米国に対して原爆投下が国際法違反であると10日抗議したことを伝える。日本政府による原爆投下への抗議表明は、現在まで唯一この時だけである。」

「朝日新聞が9月15日付で原爆使用を「毒ガス使用以上の国際法違反、戦争犯罪」とする鳩山一郎氏の談話を掲載すると、米軍率いる連合国軍総司令部(GHQ)は東京本社版を48時間の発行停止処分にした。そしてGHQは19日にプレスコードを発令し、記事を検閲した。」

結局、戦勝国の戦争犯罪について、敗戦国は何も言えないのか。8月6日と9日は「平和を祈る」日でしかないとすれば、自己欺瞞も甚だしい。本当は、「アメリカの戦争犯罪を忘れない」日であるはずだ。

先日8月2日付日経新聞オピニオン面のコラム記事には、「米ビュー・リサーチ・センターが6月に実施した世論調査では、日本への原爆投下を「正当化できない」と答えた米国民が31%にのぼり、「正当化できる」の35%に迫った。」とある。

平和を祈る以上に、やがて原爆投下を「正当化できない」と考える米国民が多数派になることを、祈りたい。

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