「藤田嗣治×国吉康雄」展
「藤田嗣治×国吉康雄」展(兵庫県立美術館、8月17日まで)を観てきた。先週末の日経新聞で紹介されていたのを見て、名前くらいしか自分は知らない画家だけど、海外で活躍した同年代の日本人画家をカップリングしてみせるのは面白い企画だなと感じた。巡回するのかなと思ったが、兵庫県立美術館のみの開催ということで、まあヒマもある金もそこそこある隠居の身としては、兵庫まで遠征することにした次第。(画像は上が美術館屋上にあるカエルのオブジェ。何じゃこりゃ~。下は展覧会カタログ。左が表表紙の藤田作品、右が裏表紙の国吉作品)
藤田が1886年東京生まれ、国吉は1889年岡山県生まれ。藤田は東京美術学校を卒業し、パリに留学。国吉は16歳で労働移民として渡米、西海岸で働きながら公立学校に通い、教師に勧められて画家を志し、ニューヨークで研鑽を積む。若き二人の画家は共に30歳頃に、初個展を開いてキャリアをスタートさせる。
1920年代、藤田は「乳白色の裸婦」作品で絶頂期に。国吉も、29年にはニューヨーク近代美術館の展覧会に出品するなど評価を高める。
世界恐慌により世界が混迷する中、33年に藤田は日本に帰国する。そして日米戦争突入。藤田はいわゆる「戦争画」に取り組む一方、国吉はアメリカで「敵性外国人」の扱いを受けながら、反軍国主義をテーマに作品を生み出していく。戦争の時代、二人の画家の歩んだ道のりは対照的だった。
戦後、アメリカの画家としての評価を確立した国吉だったが、ガンに侵され1953年に死没。享年63歳。藤田は再び日本を離れ、50年にパリに戻る。55年フランス国籍を取得、59年にカトリックとなる。1968年に81歳で没した。
藤田はフランスで、国吉はアメリカで活躍。画風も全く異なるし、対照的な人生を歩んだように見える。しかし両者とも、大いなる才能を発揮して海外で高い評価を得ると共に、戦争という時代の嵐の中で、それぞれが自らの信じる道を進んだところは共通している。二人の間に交遊など濃密な関係があったわけではない。それでも、同じ時代を生きた二人の画家の人生を合わせ鏡のようにして見ると、お互いの人生の光と影が、より際立って現れるように思えた。
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