「こどもニュース」から「池上解説」へ
「池上解説」の原点は、やはりNHK「週刊こどもニュース」だと思う。池上彰の新著『50歳から何を学ぶか』(PHP新書)から、以下にメモする。
「ニュースセンター845」と「イブニングネットワーク」のキャスターを計5年勤め、後任も決まったところで、さあ記者職に復帰だと思っていたら、今度は「週刊こどもニュース」という子供向けのニュース番組を作るので、お父さん役と称するキャスターをやってくれというのです。
ここでも、やはり発見がありました。これまで当たり前のように考えていた世の中の仕組みやニュース解説を、子供の視点からもう一度とらえ直すことができたからです。
そして驚いたのは反響の大きさです。あくまでも子供向けにニュースを解説していたのですが、それが子供だけでなく大人にも好評だったのです。年齢別視聴率調査では、実に60歳以上の男女の視聴率が20%にも達していました。もはや「こどもニュース」ではなく「老人ニュース」です。今さら聞けないこと、知ってるつもりだったけれどよく分かっていなかったことが分かりやすく解説されている。なるべく専門用語や横文字を嚙み砕き、分かりやすく伝えることを心掛けていたために、多くの方にご覧いただいたようです。放送日や時間帯は何度か移動しましたが、土曜日の夕方に落ち着いてからは、毎週同時間帯トップの視聴率を取っていました。
結局、「週刊こどもニュース」には、1994年から、私がNHKを退職する2005年まで「お父さん」役で11年間出演しました。NHKを辞めたのは、「そろそろ記者に戻って、ジャーナリストとしてのキャリアのために解説委員になりたい」と考えていたにもかかわらず、その道が絶たれたことがきっかけです。解説委員長から「解説委員というのは専門分野をもっていなきゃいけない。お前には専門分野がないだろう」と言われ、自分には解説委員になれる可能性がないことを知ったのです。
・・・専門分野を持つ解説委員にはなれなかったけど、専門的なことも含めて何でも分かりやすく解説する人になった、ということだな。とにかく「週刊こどもニュース」は、「池上解説」の原点になっただけでなく、その後の、ニュースを分かりやすくして見せる番組が多くなる流れを作ったという意味でも、画期的な番組だったと思う。自分も既に大人だったけど、日曜の午前中に放送されていた頃の「週刊こどもニュース」を、よく見ていた。その後、池上さんがNHKを離れた時には、もうテレビに出ないのかと残念に思ったが、結局その後も民放番組で活躍しているので、やはりテレビに求められる人だったなと納得である。
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