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2025年2月14日 (金)

円安か円高か、それが問題だ

『「ガラパゴス・日本」の歪んだ円相場』(藤井彰夫・著)の第6章(円相場「脱ガラパゴス」への道はあるか)からメモする。

円高・ドル安になるときは、通常は米経済が悪化して金利が下がる局面です。世界第1位の経済大国の米経済が悪化する時は世界的な景気後退に陥ることが多いので、輸出企業は円高と輸出需要の減退に見舞われます。特に2008年のリーマン危機のように米国発の世界不況の場合は、日本は円高と世界不況のダブルパンチを被ることになります。

逆に円安の時は、米国経済をはじめ世界経済が好況にあることが多いので、原油など一次産品価格は上がりやすくなります。円安による購買力低下と一次産品高がダブルでインフレ圧力をもたらすのです。

円安で輸入価格が上がってインフレになった時に、価格転嫁が進み、賃金も上がれば、物価が上がり、金利も上昇するという循環になります。金利が上がれば円安にも歯止めがかかるはずです。この時に、金利上昇や人件費高で立ちいかなくなる企業もありますが、そうした企業が退出し、その企業で働いていた人々が、円滑にほかの職場に移れる労働市場の流動性、柔軟性があれば産業の新陳代謝は進み、経済全体は強くなります。

日本国内が、市場メカニズムを通じた価格調整、雇用移動、産業の新陳代謝ができる柔軟な経済構造になっていけば、円相場の変動に苦しむ程度は少なくなるでしょう。

・・・書名の「ガラパゴス」とは、主要先進国の中で日本ほど為替相場に一喜一憂というか大騒ぎする国は珍しい、という含意。確かに、1985年9月のプラザ合意に始まる円高局面以降を見ても、80年代後半は貿易黒字減らしのため公共投資の大幅積み増しなど内需拡大が国策となり、90年代は貿易慣行修正のための日米構造協議、21世紀に入ると小泉政権下の大規模ドル買い円売り介入、さらにアベノミクスの異次元金融緩和に伴う円安進行と、主に円高局面で日本の政策が大きく動いている。

本書にも述べられているように、円相場については「米国が決める」「日銀の金融政策で決まる」「通貨マフィアの腕しだい」等の「都市伝説」が語られるものの、現状では為替相場は「市場が決める」との理解が基本。とはいえ、市場が注目しているのはアメリカの経済政策や外交なのだから、結果的にアメリカが決めている、と見られるのは仕方がない感じもする。

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