「ミスタージミー」の映画
映画「MR.JIMMY」を観た。伝説のロックギタリスト、ジミー・ペイジ。その演奏はもちろん、機材や衣装等も含めて完全再現することに人生の全てを捧げる「ジミー桜井」こと桜井昭夫さん。その活動を追ったドキュメンタリーである。
ロックの映画ではあるが、意外と淡々と進む印象。ジミー・ペイジのライブ、その全ての再現を目指す桜井さんが、機材や衣装の細部まで、エンジニアやデザイナーと打合せする等の、地道な取り組みが映し出される。そして、遂にジミー・ペイジと出会い、本人からの絶賛を得て、アメリカへと渡り、レッド・ツェッペリンのコピーバンド「レッド・ゼッパゲイン」に加入。いよいよ怒涛の展開かと思いきや、ゼップ・サウンドの完全再現を目指すジミー桜井の職人的な拘りと熱量は、バンドメンバーとの軋轢を生んでしまう。思うように自分の理想を実現できないジミー桜井。その表情には疲労の色が浮かぶ。
この辺は、そうなるだろうなーという感じのするところ。ペイジのギターの再現は、ジミー桜井一人でやれるわけだが、バンドの音楽の再現は一人ではできないわけで、ジミー桜井と同じ考え方、かつ実力を兼ね備えたメンバーが必要になる。しかし、そんなメンバーを探し出すのは簡単ではないよな。
伝説のバンドのサウンド完全再現には、ビジネス面と時代性からの懸念が付き纏う。単純に考えれば余りにもマニアックなわけで、こんなパフォーマンスを求める人がどれだけいるだろうか。想定されるマーケット規模からも、儲かるとは思えない。そして、再現対象は50年前の音楽、下手をすれば「時代遅れ」の烙印を押されかねない音楽であり、はたして今の時代に、当時の音楽を当時のまま演奏することにどれだけ意義があるのか、と問われるのも避けられない。要するに「今なぜツェッペリン?」だ。
しかしジミー桜井の信念は揺らがない。なぜなら、ジミー・ペイジは問答無用で最高なんだから。自分を無にして作り上げた「ジミー・ペイジ」を、オーディエンスにプレゼンする活動は今も続く。自分のバンド「Mr.Jimmy」で演奏し、そしてジョン・ボーナムの息子であるジェイソンとのツアーも行っているという。
思うに、「ジミー・ペイジ」の再現は、ギターのテクニックとサウンドがクリアできれば、充分OKだろう。でも、「レッド・ツェッペリン」を再現しようと思ったら、ネックになるのは「ロバート・プラント」だろう。歌もそうだけど、あんなルックスの人、見つけてくるの大変だぞ。(苦笑)
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