消費下手ニッポン
本日付日経新聞投資面コラム「大機小機」(消費あっての資産運用立国)からメモする。
内閣府がまとめた2024年度の経済財政報告によれば、老後に備えてためた金融資産が85歳以上でも、ピークの60代前半から平均1割強しか減っていないそうだ。「倹約は美徳」と言えるだろうが、人生100年の時代。この美徳は、経済に負の影響をもたらすおそれがある。
政府は「資産運用立国」を掲げて、新NISA(少額投資非課税制度)などの政策を打ち出してきた。預貯金偏重の日本人にとって、積極的な資産運用は重要だ。しかし、資産運用だけではお金が回らない。
そもそも日本人は、倹約で幸せになっているのだろうか。最近「DIE WITH ZERO」という本が売れているが、消費して資産を遺さないことが幸福につながると説いている。
資産運用は手段に過ぎず、資産を消費して幸福になることが目的のはずだ。日本は消費を我慢して、個人の幸せをあきらめているようにみえる。
資産運用立国を掲げるのであれば、「消費立国」も目指さないとバランスを欠く。そのためには将来不安を減らすことが重要だが、資産を持つシニアから子育て世代への資産移管を促す大胆な優遇策も必要だろう。何よりも重要なのは、消費を通して人生を豊かにするという、ポジティブな消費教育である。
・・・日本の個人の金融資産は2200兆円。その半分以上は高齢者(60歳以上)が主に現預金で保有するという姿は、余り変わっていないようだ。まあ自分も高齢者なのだが、そもそも金の使い道が余り思い浮かばない。高齢者は倹約しているというより、消費の仕方が分からないような気がする(苦笑)。現役世代は住宅ローンと教育資金で消費どころではないとすれば、やはり高齢者が持てあましているカネを現役世代に誘導しないといかんな。
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