彼岸過ぎに咲く彼岸花
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長期投資家の目指す「資産づくりの投資」で大事なことは、まずアセット・アロケーションの切り替え、そしてもう一つ、企業を応援する投資である。『大波乱相場、お金はこうして守れ!』(澤上篤人・著、SB新書)からメモする。
われわれ本格派の長期投資家は、暴落相場でも平気な顔して買える。「この会社は応援しなければ」といってね。「この会社と、この会社はなにがなんでも応援するぞ」という気持ちさえあれば、暴落相場を買える。みなが逃げたくなるような株安時に気合いを込めて買える。その結果として、大きな投資リターンが得られる。それが、本当の株式投資というものだ。
投資とは「将来を築いていくため、お金に働いてもらう」ことである。自分の夢や思いを託せるところがあれば、そちらの方向で自分のお金にも働いてもらうのだ。自分が思い描く将来への夢や思いに沿った方向で事業を展開している企業を応援すればいい。それも、強い意志をもって応援するのだ。それが、株式投資の本質である。毎日の生活を支えてくれている企業群の中で、10年先も30年先もずっと頑張ってもらいたい企業を、トコトン応援していく。それが、資産づくり投資の根幹をなす考え方である。「この企業とこの企業はトコトン応援するぞ」で、暴落相場の安値を買いに行く。まさに、投資の基本である、「安く買っておいて、高くなるのを待つ」のスタートが、ごく自然体でできてしまうではないか。
本格派の長期投資家は、株価全般の暴落時には断固たる応援買いに入る。いってみれば、本物の応援団である。経済情勢が明るくなってくるにつれて、株式市場にも活気が戻ってくる。儲けたい投資家たちが、ガツガツと買ってきた。まさに、「上がってきた株価を応援しよう」とする、にわか応援団の登場である。こちらとしては、「まあ、好きに高値を買ってもらおう。しばらく、彼らに応援を任せるとするか」で、どんどん売り上がっていく。われわれ長期投資家は、暴落相場の安値をたっぷりと買い仕込んだ。それを、儲けたい一般投資家たちが、後から高く買ってくれる。おかげで、こちらは大きな投資収益を確保できる。
応援買いの感覚は、これでわかっただろう。次に、大事になってくるのは、投資のリズムを守ることだ。それも、徹底的にマイペースで、だ。リズムの起点は、暴落を買いにいくこと。それも、さっさと買いにいくのだ。「マーケットにつかず、離れず」で、「安く買い、高く売る」自分のペースを絶対に崩さない。そうしているうちに、自分なりの投資リズムが身についてくる。
・・・澤上流「暴落待ち」の投資術。株の暴落時に株を買うのは誰でも怖いが、自分の応援したい企業があれば、信念を持って断固として株を買える。もっと単純に言えば、暴落時に誰でも知ってる企業の株を買っていくやり方でも、投資収益は十分に期待できる。
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さわかみ投信の創業者である澤上篤人氏は、世の中で投資といわれるものは相場追いかけ型の投資であり、長期投資家の目指す「資産づくりの投資」とは違うという。「資産づくりの投資」で大事なことは二つあり、アセット・アロケーションの切り替えと、企業を応援する投資である。『大波乱相場、お金はこうして守れ!』(SB新書)から、アセット・アロケーションについてメモする。
景気が良くなったり、悪くなったりするにともなって、マネーの流れも方向も変わる。それに合わせて、運用先を「株式→現金→債券→株式」という順に切り替えていくのだ。それを、アセット・アロケーションの切り替えという。
われわれ本格派の長期投資家は、不況時に株式への投資ポジションを100%にまで高める。どんな不況もいつかは終わる。不況を脱出すると、景気は徐々に上向いていく。それを先取りするかのように、株価全般の上昇ピッチも上がっていく。
そのうち、景気も過熱気味となってくる。そのあたりから、株式投資ポジションを徐々に下げはじめよう。利益確定に入っていくのだ。経済活動は活発化し金利水準も高くなってきている。保有株を売却した資金は、現金運用にまわしてやれば、これまた結構な金利収入が得られる。
あまりに金利水準が高くなってくると、そのうち景気は失速する。企業活動や個人消費も落ち込む。景気は下降局面に入って、それまで高かった金利水準も下がりはじめる。債券投資に打って出るのはそれからだ。景気失速から不況突入時まで金利は、どんどん下がっていく。逆に、債券価格は、みるみる上昇していく。
景気後退がひどくなってくるにつれ、国や日銀など中央銀行は低金利政策を打ち出す。低金利政策が発動されてきたら、早い段階で債券投資ポジションはゼロにまで下げてしまおう。保有債券を売り上がっていくのと並行して、株式の買い仕込みをはじめよう。不況時の株安局面では、目一杯に株式投資ポジションを引き上げておくのだ。
アセット・アロケーションの切り替えとは、マネーの流れを先取りした合理的な投資戦略を実施するということだ。マネーの流れを先取りして、「株式→現金→債券→株式」と投資対象を切り替えていくのだ。
・・・アセット・アロケーションは、景気循環に則った資金運用の定石ともいえる。澤上氏は、順張りでも逆張りでも、相場追いかけ型の(短期的)投資は難しいものだと言う。とはいえ、景気循環を見ながら景気のピークと底を見極めて、長期的に「逆張り」で資金を運用するのも、やっぱり難しいと思う。特に最近は、景気循環そのものがはっきりと見えにくい感じがするので、なおさらだ。
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先週末に熊本県の通潤橋を訪れた。熊本市街の桜町バスターミナル1番乗り場から、「通潤山荘」行きに乗る。乗車時間約1時間40分の路線バスの旅。「通潤橋前」で下車。乗車賃1450円。バス停から通潤橋はすぐ見える。
通潤橋は台地と台地の間にかけられた、農業用水を送るための水道橋。1854年の完成。残り13年とはいえ、まだ江戸時代に作られた石造りのアーチ橋。足元の部分は、熊本城の曲線的な石垣の形を取り入れたという。通水管内の土砂やごみを吐き出すために、橋の中央から放水を行うのが観光的な呼び物でもある。放水は4月から5月初め、7月中旬から11月末まで、基本的に1日1回、13時から15分行う。9月7、8日は地元のお祭りがあり、1日3回実施した。
丁度一年前の2023年9月に、通潤橋は国宝に指定された。土木構造物が国宝に指定されるのは全国初。
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