企業情報開示の非効率地獄
日経新聞本日付記事「開示地獄に企業が悲鳴」からメモする。
環境対応や人的資本など、世界で投資家が求める情報が増えている。日本で企業の負担感が強まるのは、法律や規則ごとに複数の書類を作らなければならないためだ。
例えば有価証券報告書(有報)は金融庁が所管する金融商品取引法の規定で、企業は決算期末から3カ月以内の提出義務がある。株主総会では法務省が所管の会社法に基づき、1年間の経営環境を株主に分かりやすく説明する事業報告書や決算書類が必要になる。法律とは別に、証券取引所の開示ルールもある。決算に関連した情報を投資家に迅速に伝えるため、上場企業は決算期末から45日以内の決算短信の公表が求められる。
売上高や純利益、株主資本といった情報もそれぞれの文書に記載する必要があり、内容の重複が起きる。東京都立大学の北川哲雄特任教授によると、欧州では複数の法令に対し、有報にあたる年次報告書という1つの書類での開示が主流だ。対照的に日本は「情報開示を求める法令やルールごとに、書類を整備する形で対応してきた」(公認会計士の森洋一氏)ことで多くの書類が必要になった。
役所や証券取引所ごとの法規に縛られた非効率な開示スタイルの結果、日本は世界でも有数の「開示大国」になった。経済産業省の調べによると、24年1月時点の日本の上場企業の1社あたりの開示資料の総ページ数(制度開示と任意開示の合計)の平均は398ページにのぼる。米国や英国に比べ2〜4割多い。
企業の負担を抑えながら、投資家に必要な経営データを提供するには、法規ごとにバラバラの開示義務を見直す必要がある。経産省の「企業情報開示のあり方に関する懇談会」は6月の中間報告で、有報や事業報告書、統合報告書などを一体にして法令に対応できる形式を提言した。
企業の情報開示は今後もサステナビリティーの関連項目や英訳書類など、一段の増加が見込まれる。投資家、企業それぞれの便益を高めるには非効率な「縦割り開示」の壁を取り払うことが第一歩になる。
・・・近年は非財務情報の記載事項も多くなり、企業情報の開示内容は増加の一途。開示の準備の効率化に相当努力しないと、企業の担当部署と監査法人がパンクするのは目に見えている。上場企業はとりあえず金商法開示のみにして、会社法開示は免除してもらうのが一番分かりやすいんだけどな。そうすれば、まずは有報作成に集中して、さらに株主総会も開催日を遅らせて有報を使うようにすれば、それで良いように思うんだけどな。わからんな。
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