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2023年8月20日 (日)

『資本とイデオロギー』邦訳刊行

今月、経済学者トマ・ピケティの著作『資本とイデオロギー』の邦訳が出る。原著の発行は2019年9月。1000ページを超える大著であり、邦訳本の税込み価格もベストセラー『21世紀の資本』の6,050円を上回る、6,930円だあ。おそらく解説本や早わかり本も出るとは思うが、とりあえず3年前のインタビュー記事(仏ロブス紙、雑誌「クーリエ・ジャポン」掲載)からメモする。

格差を作るのは、政治です。経済やテクノロジーが「自然」に格差を作りだすわけではありません。だから、どの社会にも「なぜ格差があるのか」を説明する物語が必要になってきます。

(フランス)革命後に成立した「有産者の社会」では、従来の宗教に代わって、私有財産が神聖不可侵なものとして尊重されました。ただ、私有財産の神聖化が行き過ぎると、問題が始まります。そろそろ財産権の神聖化のステージを抜け出すときです。資本主義を乗り越えていくときが来ているのです。

新著では「参加型の社会主義」の構想を描いてみました。これは労使共同決定を通して実現可能なものです。ドイツでは大企業の場合、従業員の代表が取締役会で議決権の半分を持ちます。私の提案では、この路線をさらに押し進めて、大株主が持てる議決権を、たとえば「10%まで」と上限を定めるべきだとしています。

(私有財産制の否定ではなく、)目標は、財産権の「社会化」や「時限化」を通して、私有財産制を乗り越えていくことです。私有財産制は、それが度を越さないかぎり、正当なものです。しかし政治や経済の権力が一部の人に過剰に集中したり、その権力の集中が長期化したりすることは、避けなければなりません。

私の提案は、毎年、資産に対して累進課税をすることです。フランスの場合、累進資産課税ができれば、現行の不動産税や不動産富裕税はいらなくなります。資産に対する課税では、不動産だけでなく、金融資産にも税をかけます。

ひとことで言えば、この世からビリオネアをなくす仕組みです。

・・・かつて社会主義は「資本家を打倒せよ」と訴えたが、今の社会主義は「ビリオネアの消滅」を目標とする、というところか。

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