議決権行使助言会社が波乱要因に
28日付日経新聞記事から以下にメモする。
トヨタは株主総会を6月14日に開く。公的年金を運用するオランダのAPGアセットマネジメントやデンマーク、ノルウェーに本拠を置く3社は、トヨタの気候変動関連の開示について「投資家の期待に照らして不十分」と評価した。トヨタの渉外活動が、温暖化ガスの排出削減にどう寄与しているかなどをまとめた報告書の作成を、定款に盛り込むよう求める株主提案を出していた。
米議決権行使助言会社のインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)も、「トヨタは(気候変動関連の)ロビー活動の評価に十分な情報を株主に提供していない」と指摘し、欧州の運用会社の株主提案に同調した。トヨタは、「定款には、個別具体的な業務執行の事項は規定すべきではない」と反論している。
ISSと米同業のグラスルイスは、社外監査役である酒井竜児氏の再任に反対推奨をした。酒井氏はトヨタと取引関係にある弁護士事務所に所属しており、独立性が不十分と判断した。トヨタと取引がある三井住友銀行の副会長の大島真彦氏が、社外取締役候補になっていることも問題視。独立した社外取締役として認められないとする大島氏が任命されれば、取締役会の独立性が保たれず、その責任は取締役会議長の豊田章男会長にあるとして、豊田氏の再任に反対推奨をした。
トヨタは三井住友銀行との関係を、「取引規模に重要性はなく、一般株主と利益相反が生じるおそれがない」とする。
・・・ISSとグラスルイスは、先日終了したセブン&アイの株主総会でも、取締役選任の会社提案に反対推奨をする一方、ファンド株主の取締役選任案には賛成推奨していた。結果は会社提案の賛成多数となったが、議決権行使助言会社、何だかこれからも、株主総会の波乱要因になりそうな感じだ。
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