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2021年12月11日 (土)

現役世代の1票は限りなく軽い

「1票の格差に関する議論では、2倍や3倍といった数字ばかりが重要なのではない」と言うのは、渡辺安虎・東大教授。10日付日経新聞「1票の格差、政策のゆがみに直結」から、以下にメモする。

そもそも1票の格差をゼロにすることは今の選挙制度では不可能だ。選挙区を市区町村などの行政区画と一致させる以上、必ず格差は生じる。

日本の1票の格差の最大の問題は、格差がランダムではない点だ。言い換えると、1票の格差によって特定のグループの人たちの1票が重くなる一方、1票が軽くなるグループがいる。結果として民意が正確に反映されず、政策形成をゆがませてしまう。

この問題が最も明白なのが年齢だろう。日本では1票が重い選挙区は高齢者の比率が高く、軽い選挙区は現役世代の比率が高い。
10月の衆院選を見てみよう。1票が最も軽かった10選挙区のうち8選挙区が東京都内であり、残りも神奈川県内と札幌市内だ。いずれの選挙区も現役世代の比率が高い。つまり、有権者に占める現役世代の比率が高い選挙区は1票が軽いのだ。このことにより、システマチックに現役世代の声は過少に扱われ、国政に届きにくくなる仕組みになっている。

さらに問題なのは、多忙な現役世代は投票コストが高く、投票率が低いことだ。このため1票の格差により軽んじられている現役世代の声は一層、国政に反映されにくくなっている。膨張を続ける医療費や低位が常態化する出生率といった問題に、この構造は無関係でないだろう。

・・・ということで記事の中では、区割りの際に例えば1票の格差と年齢との相関を弱くする何らかの基準を採用する、という対応の方向性も示唆されている。のだが、現役世代の声を国政に充分に反映させるという一点に絞れば、リタイアした高齢者から投票権を取り上げて、現役世代の棄権には罰金を課すのが一番いいと思う。(暴論であります)

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