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2020年9月14日 (月)

映画「ミッドウェイ」

映画「ミッドウェイ」(ローランド・エメリッヒ監督)が公開中。その内容は、パールハーバー攻撃から初の東京空襲、珊瑚海海戦そしてミッドウェイ海戦まで、1941年12月から1942年6月まで太平洋戦争最初の半年間を、日米双方の視点から(人間ドラマの部分はアメリカ中心だけど)描き出すものである。

こういう風にパールハーバーからミッドウェイまでをつなげてみると、アメリカ側から見る流れ、すなわち最初に大打撃を受けてから一矢を報いるべく反撃を続けて、遂に大逆転勝利を挙げて立ち直るというストーリーは、実にドラマチックだなと思う。日本側からすると、パールハーバーの大成功とミッドウェイの大惨敗は、まさに天国と地獄、全く異なる次元の出来事のように見えるので、ふたつの戦いの間をつなげるストーリーなど思いつくことすら難しい。

しかし本当に最近は映像技術が発達しているので、戦争映画も兵器や戦闘の再現度が驚異的なレベルにあるというほかない。海戦だろうが空中戦だろうが、戦闘場面は本当にどうやって撮ったんだろうというか作ったんだろうというか、ホントにもう今は何でも映像にできちゃう感じで、とにかくよくできている映画だな、とは思う。

とりあえずアメリカ海軍というと、人物ではハルゼー提督に自分は着目してしまう。いかにも親分肌のファイト溢れるキャラの司令官を、この映画ではデニス・クエイドという俳優が、概ね人物イメージ通りに演じていると思う。

日本空母に向けて急角度で突っ込み、爆弾を落として反転急上昇する急降下爆撃のシーンの迫力は強烈だ。爆撃機のパイロットは命知らずでないとできないなと実感する。情報戦で成果を挙げるなど裏方の努力もあるにせよ、最後は「勇敢なヤツがいないと戦争には勝てない」という作りになっているのは、やっぱりアメリカ市場向け映画という感じではあるな。

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