昔の都立高校生の「ダルい」青春
『人生の諸問題 五十路越え』(日経BP発行)は、コラムニスト小田嶋隆とCMプランナー岡康道の対談本。両氏は都立小石川高校の同級生とのことで、ほぼ同世代の都立高校出身者である自分が全面的に同感したのは以下の部分。
小田嶋:物の言い方のマナーみたいなところで、すごく積極的だったり、「やるぜっ」といった言い方だったりは、都立の人間ってしないのよ。「だったら、どうする~?」「じゃあ、一応やる~?」みたいな、そういうちょっとダルい感じのノリがわれわれなのよ。いちいちダルがるのが俺たちなの。
岡:僕らの高校時代は、「ダルい」ということが、生活のトーンでしたからね。価値観として。
・・・分かるなあ~これ。あの頃、「かったるい」という言い方もしてたっけ。両氏は第4学区で、自分は第6学区なんだけど、そこに特に気分の違いがあるわけでもなく、70年代の都立校生は総じてこんな感じだったと思われる。で、本の中ではさらに、そんな都立校生が早稲田大学に入って、田舎から青雲の志を抱いて出てきた元気な若者に遭遇して引いちゃう、みたいな話が語られていて、それもさもありなんと感じられる。
別な話になるけど、福山雅治が東京に出てきた時に「ナメられちゃいけねえ」と思った、と本人が語るのを何かで聞いた覚えがある。東京出身者は良くも悪くも、地方出身者の「気負い」とは無縁なのだよなあ。
とにかく、昔の都立高校生は「ダルい」青春を送っておりました。今は違うんだろうな。