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2019年7月27日 (土)

昔の都立高校生の「ダルい」青春

人生の諸問題 五十路越え』(日経BP発行)は、コラムニスト小田嶋隆とCMプランナー岡康道の対談本。両氏は都立小石川高校の同級生とのことで、ほぼ同世代の都立高校出身者である自分が全面的に同感したのは以下の部分。

小田嶋:物の言い方のマナーみたいなところで、すごく積極的だったり、「やるぜっ」といった言い方だったりは、都立の人間ってしないのよ。「だったら、どうする~?」「じゃあ、一応やる~?」みたいな、そういうちょっとダルい感じのノリがわれわれなのよ。いちいちダルがるのが俺たちなの。

岡:僕らの高校時代は、「ダルい」ということが、生活のトーンでしたからね。価値観として。

・・・分かるなあ~これ。あの頃、「かったるい」という言い方もしてたっけ。両氏は第4学区で、自分は第6学区なんだけど、そこに特に気分の違いがあるわけでもなく、70年代の都立校生は総じてこんな感じだったと思われる。で、本の中ではさらに、そんな都立校生が早稲田大学に入って、田舎から青雲の志を抱いて出てきた元気な若者に遭遇して引いちゃう、みたいな話が語られていて、それもさもありなんと感じられる。

別な話になるけど、福山雅治が東京に出てきた時に「ナメられちゃいけねえ」と思った、と本人が語るのを何かで聞いた覚えがある。東京出身者は良くも悪くも、地方出身者の「気負い」とは無縁なのだよなあ。

とにかく、昔の都立高校生は「ダルい」青春を送っておりました。今は違うんだろうな。

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2019年7月23日 (火)

新幹線の英語アナウンス、微妙

本日発信の日経新聞電子版記事「東海道新幹線、肉声の英語放送に踏み切ったワケ」からメモする。

JR東海が東海道新幹線の車内で肉声の英語アナウンスを始めてから、半年が過ぎた。日本の大動脈と言われる東海道新幹線は外国人客も多く利用する「日本の顔」だ。2018年12月、それまでの自動音声から、車掌の肉声による到着駅と出口方向の英語アナウンスに切り替えた。

当初は乗務員らの反発もあった。JR東日本やJR西日本をはじめ、他の鉄道会社では英語の案内は自動音声が一般的だ。JR東海があえて肉声に切り替えたのは、自動音声では対応できない細かなサービスを実現するためだ。

利用者の反応は賛否分かれる。外国人観光客からは「好感が持てる」「やっと日本で英語が通じるようになってきた」といった意見がある。一方で「聞き取りづらい」「不快だ」といった厳しい声も届く。JR東海は今後、英語研修で発音や会話の強化を目指すという。

・・・新幹線に乗っていて車掌の英語アナウンスが聞こえてくると、大抵いかにも日本人の話すカタカナ英語なので、思わず身悶えしてしまうのはワタシだけ? 確かに英会話は訓練というか、「身体で覚える」ところもあるので、肉声アナウンスがダメとは言わないが、発音が悪いとかえって通じないんじゃないかと余計な心配をしてしまう。

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2019年7月20日 (土)

「日本青年党(仮)」を待望する

本日付日経新聞市況欄コラム「大機小機」(参議院は本当に必要か)から以下にメモする。

3年に1度の参院選は「政治の安定」を主張する与党と、「変化」を求めるだけの野党との間の不毛な論争で盛り上がりを欠いている。

二院制度はチェック・アンド・バランスのためと教科書にはある。しかし、衆参で過半数の政党が異なるねじれ国会では重要な政策は決められない。他方で同一政党が過半数を占めれば、同じ審議を繰り返すだけである。

本来は高齢化社会での社会保障のあり方など、長期的な課題を議論することが参院の役割にふさわしい。しかし、そのための大事な情報である年金の財政試算の公表は、従来の6月から選挙後に先送りされた。年金制度の問題点を明らかにして波風を立てたくない与党と、明確な改革案なしに批判するだけの野党との間で、参院選の意義はますます低下していく。

高齢化が進む日本では、投票率の低い若年層の声が軽視されるシルバー民主主義の弊害が深刻になる。

年金制度改革の争点の一つは世代間格差の是正である。仮にこれを訴える「青年党」が登場すれば選挙も活性化するだろう。

・・・二大政党制の元で、今の野党はバラバラで弱すぎる、与党に対抗できる大きな塊が必要、というのはよく聞く話。とはいえ今の野党が一緒になるのは、どうみても無理がある。しかし各野党から40代以下の人が集まって「日本青年党(仮)」を作り、与党からも参加者を募れば大きな塊を作ることは可能だろう。思うに、今の日本では政策やイデオロギーよりも、世代間の利害対立こそが最も大きな政治的争点になり得るからだ。

若年層の投票率が低いらしい。と言っても、票を入れたい人がいなければ、ましな人に入れよう、というのもやっぱり限界がある。とにかく今、政治の世界は需要と供給のミスマッチが甚だしい。若い世代の利害を代表する政党が登場すれば、当然ながら若年層の投票率も上がるだろう。

ついでに言えば、憲法改正は自衛隊の明記じゃなくて、それこそ参議院を廃止するための改正を掲げてくれれば、個人的にはポジティブに受け止められるんだけどね。

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2019年7月15日 (月)

とりあえずの結論

とりあえず結論を出しておこうと思った。

人生の目的は、昨日と違う自分になること。

幸せとは、誰かと何かを共有すること。

今日は初めてあの店でランチを食べた、というのでも十分昨日と違う自分だ。昨日と違う自分になる一番手っ取り早い方法は、本を読むことだ。この程度の目標設定にしておけば、ハードルは低いかなと。

誰かと何かを共有するのは、独り者の自分には結構ハードル高いかも知れないけど、とにかく自分がそう思える時間があれば良いということにしよう。

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2019年7月14日 (日)

動物園は「絶滅危惧種」だらけ

先日、「絶滅動物研究所」展(名古屋市科学館)を見た。マンモス、ドードー鳥、リョコウバト、トキ、ニホンオオカミ、ニホンカワウソなど絶滅してしまった動物の復元模型や剥製、骨格標本などの展示が中心。これら絶滅動物の多くは乱獲(虐殺か)や開発など人間の振る舞いが絶滅の理由と考えられていて、それだけでも居たたまれない感があるわけだが、より深刻に思われたのは、今やゴリラやライオン、ゾウやサイなど、特に珍しくもない感じの動物も絶滅の可能性が結構あるという事実だった。

国際自然保護連合(IUCN)による「絶滅危惧種」の区分は以下の3種類。
CR(Critically Endangered、絶滅寸前)
ある生物種の個体数が極めて減少している場合、または今後個体数が激減すると推測される場合の分類
EN(Endangered、危機)
CRほどではないものの、近い将来野生下で絶滅する危険性の高い動物
VU(Vulnerable、危急)
「傷つきやすい」種であり、中期的にみて野生下で絶滅する危険性がある種

東山動植物園の人気動物ベスト10は、すべて絶滅危惧種だという。以下に人気第1位のニシゴリラから第10位のホッキョクグマまで、絶滅危惧種の区分を示す。

ニシゴリラ(CR)、コアラ(VU)、アジアゾウ(EN)、アミメキリン(EN)、ライオン(VU)、スマトラトラ(CR)、フンボルトペンギン(VU)、フクロテナガザル(EN)、ユキヒョウ(EN)、ホッキョクグマ(VU)

地球上の動物たちが滅んでいくという話は、自分も子供の頃から聞かされてるわけだが、その流れに歯止めがかかっていない印象。あらゆる動物が動物園でしか見られなくなるというのも、あながち想像で終わる話とはいえない感じがしてくる。

とにかく今後も、動物たちを保護し繁殖させる地道な努力が継続されるだろう。ていうか人間の数を減らした方がいいのかもと、つい思ってしまうけどね。

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2019年7月 7日 (日)

江戸川区「沈没」

東京・江戸川区が区民に対して、水害時は「ここにいてはダメ」と訴えている。7月3日付日経新聞記事から以下にメモ。

「ここにいてはダメ、全員が区外に避難を」――。東京都江戸川区が作った水害ハザードマップが住民や専門家の議論を呼んでいる。
区が5月20日から全世帯に配布したハザードマップは33ページの冊子形式。高潮や洪水が起きるとほぼ全域が最大2週間、浸水すると予測。約70万人の区民に千葉や埼玉などへの広域避難を求めた。区の山口正幸危機管理室長は「水害時に区内にとどまることは極めて危険」と言い切る。

江戸川と江東、墨田、葛飾、足立の5区は15年、大規模水害への備えを検討する協議会を設置。「5区で250万人の避難が必要」と想定し、「当面は100万人以上の避難体制をつくる」とした。

江戸川区などの対策づくりを助言したのは片田敏孝・東大特任教授。片田氏は「避難先や移動手段の確保は区の努力だけでは限界がある。見切り発車であることは承知しているが、どこかが一歩を踏み出さないと何も変わらない」と危機感をにじませる。

・・・自分も2年前まで葛西に住んでいたから、江戸川区「沈没」の可能性に対して「ヤバイよヤバイよ」感が結構ある。さらに自分は墨田区と江東区に住んでたこともあるし、学校は墨田区の小学校と中学校、江戸川区の高校を出てるから、江戸川、江東、墨田、葛飾の4区は「第6学区」という括りで馴染みがある。なので「江戸川区沈没」だけでなく、「第6学区水没」の可能性を考えるのは忍びない。逃げるほかに水害対策はないのか?

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2019年7月 6日 (土)

福島正則はリアリストだ(推測)

福島正則の「暴れ者」イメージは正しいのか?と問うのは本郷和人先生。新刊『怪しい戦国史』(産経新聞出版)から以下にメモする。

正則は無類の暴れ者だったけれど、一方では誰よりも豊臣家に対して忠誠心をもっていた。そこで徳川家康は正則の「石田三成嫌い」の部分をこれでもか、と刺激し続けた。そのクライマックスが、三成挙兵の報を受けて開かれた「小山評定」。正則はいの一番に「徳川内府にお味方をし、にっくき三成めを成敗する」と獅子吼。ここに「東軍」が誕生した、というストーリーがしばしば描かれています。これは、正則は「三成憎し」の怨念にとらわれた、という見方ですね。家康は「正則の単細胞っぷり」につけ込み、結局、関ヶ原で勝利した、ということになります。

本当でしょうか? ぼくにはそうは思えません。正則は堂々たる一国一城の主、つまり多くの家臣たちの生活に責任をもつ大企業の経営者なのです。自分の感情だけで去就を決するとは思えない。それに彼は「弱肉強食」の戦国の様子、より具体的に言えば、羽柴秀吉が織田家の天下を奪い取るさまを現場で見ている。家康が勝利すれば、三成が滅ぶだけでなく、豊臣の天下が終わることも十分に分かっていた。それでも「福島家」が生き残り、より繁栄することを目指して、家康に味方したのではないでしょうか。

・・・福島正則はリアリストだった、と推測する。幾多の戦国大名の栄枯盛衰を見ていた正則は、ここでは家康に味方するのが福島家にとって最善と判断したのだろう。そして家康も、自軍の勝利のために正則を最も必要としていた。「小山評定」以降、関ヶ原合戦に至るまで、家康が最も多く書状を出した相手は正則だったことからも、そのことが窺える。要するに、正則と家康は利害が一致していた。こう考えると、「三成憎し」の理由は後付けの感が強くなる。

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