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2019年6月12日 (水)

ガバナンス改革の虚実

「コーポレートガバナンスの目的は、中長期的に企業をどう成長させるかにある」と言うのは、オリックス出身の経営者、宮内義彦・日本取締役協会会長。本日付日経新聞記事「そこが知りたい・ガバナンス改革なぜ進まぬ」からメモする。

「政府などから要請される格好でガバナンスの形は作ったが、中身がない。多くの企業がとりあえずガバナンスコードの基準をクリアしたことに安心しているように見受けられる」
「企業のトップにとって、お目付け役のような社外取締役の存在は疎ましいだろう。それが普通の反応だ。しかし、マネーが世界を駆け巡るなか、日本企業の経営も透明性を確保しなければならない」
「社外取締役も勉強不足だ。米国ではむしろ社外取締役は重責で、成り手が少ない。しっかり経営を監督していないと株主から訴えられるからだ。日本のように最高経営責任者(CEO)の友達や知り合いに社外取締役を頼むといったなれ合いなどない」
「社外取締役の役割はCEOの業績評価と後継者の育成や人選だ。執行側の見解や行動をじっくり見ていればいい。経営への助言やアドバイスなどはコンサルタントにやらせればいい」

・・・数ヶ月前の日経新聞紙上で、日立出身の経営者、川村隆・東京電力ホールディングス会長も「ガバナンス改革で大事なのは形ではない。一番大事なのは、社長をいつもちゃんと見ている人がいるかだ。良い社外取締役が一人いれば十分で、何人が必要などとルールばかりつくろうとするから話がややこしくなる」と語っていた。

経営の監視役の頭数ばかり揃えてもガバナンスが機能するとは限らないわけで、当然その質が評価されなければならないのだが、それは結局外部からは分かりにくいのが悩ましいところだね。

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