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2018年4月27日 (金)

雑誌「angle」の頃、40年前の東京

『あのころangle』という雑誌が出ていることを教えてくれたのは、今月24日付の日経新聞コラム「春秋」。以下に要約的にメモしてみる。

文字のびっしり詰まった精密な手書き地図と、とことん歩いて得た情報。1977年に主婦と生活社が創刊した雑誌「angle」が消えたのは85年、バブルが始まる時期だ。むさ苦しい若者が減り、おしゃれな場所が増えていった。そんな世の流れと無関係ではなかったかもしれない。

休刊から30年あまり。版元のシニア編集者らが集まって、79年刊行の別冊「街と地図の大特集」を復刻させた。かつて愛読者の学生だったり、駆け出し社員だったりした面々もすでに還暦前後である。平成も終わりが近づくなかで、昭和の東京とそれを伝えた媒体の息づかいを記録にとどめようと企画がまとまったという。

「この雑誌は『面』としての街の魅力にこだわっていた」と復刻に携わった森本泉(60)さんは言う。何でも検索のネット時代が見失った、探索の醍醐味がそこにはある。

しばし復刻版を眺めれば、池袋をブクロ、吉祥寺をジョージなどとしきりに愛称で呼んでいる。気恥ずかしさを覚えつつ、人間の匂いのした街を思う。

・・・「angle」はまさに、「東京」を「読む」タウンガイドだったと言える。思えば「街と地図の大特集」が出た79年、僕は「ジョージ」をうろつく20歳の大学生だった。あれから40年近い時が流れたのだ――といっても実はそれ程の感慨はない。あるのは、とまどいにも似た薄い驚きの感覚というか。むしろ「angle」復刻版という媒体を目の前にすることによって、自分は確かに40年前の東京にいたのだ、という実感を与えられているような気がする。

それはさておき、今の東京はどうもおしゃれになりすぎている感もある。歩いていて何となく疲れるような。それこそ自分の年令のせいかもしれないが。でも昭和の東京には、楽しい人、つまんない人、いろんな人の思いをそのまま受け止めてくれる、そんな街の温もりがあったのかもしれない。などと思ったりする。

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