ブロントサウルス、「復活」期待
ブロントサウルスといえば、かつては首の長い恐竜の代名詞的存在だったけど、実は先に発見されたアパトサウルスと同じ種類だったということで、その名前も今では正式には使われなくなってしまった。はずだったのだが、最近新たな動きが出てきたらしい。『ここまでわかった![図解]恐竜の謎』(三笠書房・知的生きかた文庫)から以下にメモ。
アメリカの古生物学者オスニエル・C・マーシュは1877年に数個の化石を見つけただけでアパトサウルスと命名。その2年後には、新しく発見した別の化石に新種としてブロントサウルスと名づけた。
ところが、1903年にアメリカのフィールド自然史博物館が調査を行ない、両者は同一種であるとする結果を発表した。ブロントサウルスはアパトサウルスの若い個体にすぎないという判断であり、学術界のルールにより先につけられたアパトサウルスの学名が生かされることとなったのだ。
しかし博物館の調査結果は一般にはあまり注目もされず、ブロントサウルスは子どもや恐竜ファンの間では高い知名度を誇るままだった。1970年代になり、別の専門家が両者の頭骨の酷似を改めて指摘、ブロントサウルスも本来はアパトサウルスであるとして、ようやく広まりだし、恐竜図鑑などからブロントサウルスの姿が消えていったのである。
しかしさらなるどんでん返しが。2015年、ポルトガルのヌエバ・デ・リスボン大学の古生物学者オクタビオ・マテウス氏らの研究チームが、両者は別種であるだけでなく、異なる属に分類されるほど似て非なるものだと発表したのだ。
ブロントサウルスは完全復活を果たすのか、現在も研究が続いている。
・・・今では発見された恐竜の種類も驚くほど多くなってるけど、それでもやっぱり自分のような昔の「恐竜図鑑」世代には、ブロントサウルス、ステゴサウルス、ティラノサウルス、トリケラトプスがいわば恐竜「四天王」であるわけで、ブロントサウルスには是非「復活」してほしいと思ってる。
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