東芝の「粉飾決算」
東芝の「不適切会計」って「粉飾決算」だよなあ・・・と思っていたら、「週刊SPA!」(8/11・18号)の中に同じ意見を見つけたのでメモ。ジャーナリスト須田慎一郎の文章です。
そもそも、大手紙やテレビは「不適切会計」などという表現に固執しているが、これは明らかに粉飾決算であり、上場廃止が検討されて当然の事実だ。
この問題を起こしたのが東芝ではなく中小企業であれば、メディアも遠慮なく粉飾決算と報じているだろう。さしずめ、各テレビ局は重要なスポンサーである家電大手に遠慮し、新聞も経団連の主要企業である東芝を厳しく書けば今後の取材がしづらくなると懸念しているのだろう。
東芝に甘いのはメディアだけではない。仮に、東芝が上場廃止になれば市場に与える影響は大きく、上向きかけた株高ムードに冷や水を浴びせることになるのは目に見えている。そのため、東証は完全に腰が引けており、粉飾発覚直後から東芝の要望を聞き入れて、有価証券報告書の提出期限を8月末まで延長することを早々と決めてしまったのだ。
さらには、マーケットの違法行為を取り締まるべき金融庁までが、グルになっている疑いがある。有価証券報告書の提出期限というものは「法定期限」である。つまり金融庁は、東芝の都合に合わせて法律がねじ曲げられるのを、見て見ぬふりをしているのだ。
・・・メディア、東証、金融庁、これに監査法人も加えて、「大人の事情」が横行するニッポンの企業社会。4年前に不正決算が発覚したオリンパスも結局上場廃止にはならなかったし、今回の東芝問題も、何だか釈然としない気分が残るまま、いっさいは過ぎていきそうな気配。
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