「理想の上司像」で考える
日経新聞の「理想の上司像、17年間でこんなに変わった」(電子版記事、5/16付)を眺めていて思ったことなど。
産業能率大学が発表する「理想の上司」。毎年新入社員を対象に調査、今年は442人(男性288人、女性154人)から有効回答を得た。その結果は、男性上司トップが堺雅人、女性上司トップが天海祐希。記事は、1998年度から2014年度まで17年間の変遷を追いかけてみると、各時代の経済事情や世相が読み取れるとする。とりあえず以下に17年間の男性上司トップ3を記してみる。
1998年度 長塚京三、野村克也、長嶋茂雄
1999年度 野村克也、北野武、長嶋茂雄
2000年度 所ジョージ、北野武、長嶋茂雄
2001年度 北野武、所ジョージ、長嶋茂雄
2002年度 星野仙一、所ジョージ、北野武
2003年度 北野武、所ジョージ、星野仙一
2004年度 星野仙一、所ジョージ、北野武
2005年度 古田敦也、所ジョージ、星野仙一
2006年度 古田敦也、イチロー、所ジョージ
2007年度 所ジョージ、古田敦也、星野仙一
2008年度 所ジョージ、星野仙一、イチロー
2009年度 イチロー、原辰徳、所ジョージ
2010年度 イチロー、島田紳助、原辰徳
2011年度 池上彰、所ジョージ、イチロー他2名(同順位)
2012年度 橋下徹、池上彰、イチロー
2013年度 イチロー、池上彰、長谷部誠
2014年度 堺雅人、池上彰、イチロー
ここから、記事では主に第1位の人物から以下のように世相を読む。
98~06年度は、「就職氷河期・長引くデフレで会社も活力を失い、組織を再生し、元気づける上司が最も理想と考えられていた時代」となる。野球監督、文字通りチームリーダーが注目を集めた。
07~08年度は好景気の末期に当たる。肩の力が抜けた親近感の持てる兄貴タイプで、トップ10の常連組でもある所ジョージが連続首位を獲得。
09~14年度は、リーマン危機や震災・原発事故で先行き不透明感が強まる。組織に依存しない「スキルで生き抜き、キャリアアップできるのが新入社員のあこがれ」になる。
いちおう女性上司も見てみると、98~01年度は「社会にはっきりとものを言うタイプ」が理想で、各年度の第1位は鈴木京香、山口智子、江角マキコ、田中真紀子。
02~06年度は「仕事と家庭の両立タイプ」で、黒木瞳が5年連続のトップ。
07~08年度は「派遣社員ドラマ」タイプで、篠原涼子が2年連続のトップ。
09~14年度は「キャリア・強い女性」タイプで、09年度の第1位は真矢みき。その後は天海祐希が5年連続トップ。
ということなんですが、「宝塚・男役」の女性上司はまあ分かるとしても、堺雅人やイチローは上司というより、目標のモデルとなる先輩という印象。結構イメージに影響される部分は大きい(特に俳優の役柄)だろうし、そもそも「上司」の何たるかが新入社員に分かっているとは思えないから、まあ話半分に聞いとくってものかも知れません。
とはいえ、長期に亘る所人気の根強さ、近年の天海人気の盤石感からは、世の中的な大体のトレンドとして、男性上司にはどちらかといえば「ユルさ」が、女性上司には「きっぱり感」が求められている(自分もイメージで言ってる・・・苦笑)のかなあ、という気はするのです。
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