« 勘三郎の「治療死」 | トップページ | 「督促OL」の学ぶ力 »

2013年1月11日 (金)

社会保障改革を忘れるな!

本日付日経新聞市況欄コラム「大機小機」(社会保障改革はどこへ行った)からメモする。

安倍晋三新内閣が誕生し、経済成長重視の政策へとシフトした。他方で、消費増税と一体的に行うべきであった、社会保障制度改革はほとんど話題にもなっていない。

田村憲久厚生労働相は就任後の記者会見で、増え続ける社会保障費を無理に縮めることはできず、保険料の負担増を抑える選択肢のひとつとして消費税を示した。これは現行制度の基本的維持という厚労省の主張を反映したもので、社会保障制度改革国民会議の結論を先取りしたものといえる。

年2.4兆円の社会保障給付費増加に対して、税や保険料収入はデフレ経済下で横ばいのままである。年金や医療費は高齢化でさらなる増加が見込まれ、5%程度の消費増税では数年も持たない。

給付と負担のギャップは一般会計からの補助金で賄われ、国債発行額が税収を上回る異常事態が続いている。状況を改善しなければ、日本国債への信頼が失われるのは時間の問題だ。

小手先の対策で社会保障費の膨張は止まらない。米独伊では、年金支給開始年齢の67~68歳への引き上げが予定される。長寿国の日本では、早期受給の選択肢も設けた上で70歳現役社会を目指すべきである。

低成長社会では、平均的サラリーマンは妻子を養うのも容易ではない。家族単位の被用者保険を自営業と同じ個人単位に変え、夫婦が共に働き、共に子育てをする働き方を基準とすべきだ。

人口変動の波は確実に襲来する。国民会議任せとせず、官邸主導で必要な改革を国民に説得することが、国民の信頼を得て長期政権への道を開くといえる。

・・・景気対策と構造改革は同時進行できないのかなと、よく思う。過去の政権で言えば小渕も小泉も、というのは無理なのか。今のところ新政権は景気対策に軸足を置いているわけだが、構造改革だって当然大事。大体「アベノミクス」とか言っても、金融緩和と財政出動って、フツーの経済政策だろ。持続可能な社会作りのために、より困難な制度改革にも粘り強く取り組んでほしいものだ。

| |

« 勘三郎の「治療死」 | トップページ | 「督促OL」の学ぶ力 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 社会保障改革を忘れるな!:

« 勘三郎の「治療死」 | トップページ | 「督促OL」の学ぶ力 »