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2011年3月17日 (木)

震災と円高

為替市場では円高が急速に進行、円ドル相場は76円台という高値を付けた。

かねてから若林栄四氏が唱えていた円の高値予想74円に一気に近づいた。

若林氏は一昨年末の時点で、1ドル=74円の時期は2011年秋としていたが、昨年秋にはその時期を2012年2月に先延ばししていた。

とはいえ、為替相場の転換点の時期を当てるのは至難の技。予期せぬ大震災の到来をきっかけに、円の高値74円前後の実現が前倒しになる、という可能性も強くなってきた感じだ。

1995年4月の1ドル=79円は、阪神大震災の3ヵ月後に付けたもの。16年後の円の最高値更新も、やはり震災の直後とは、何とも面妖な気分になる。

95年はバブル崩壊後の時代でもあり、海外資産を売却して円資金が国内に還流する、いわゆるリパトリエーションが語られていて、今回も同様に説明する向きがある。

しかしながら異なる見方として、円を借り入れて日本株や社債を買っていた海外投資家が、震災後の資産価格急落により、追加証拠金を差し入れる必要(マージン・コール)が生じたことから、円に対する需要が高まった結果の円高という解説もあった。

いずれにしても、若林氏によれば、74円前後がドルの大底とのことなので、ドル円相場は大きな転換点が近づいているものと意識される。

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