中国マネー、日本株を買う
ソニーやキヤノン、武田など日本の大企業90社の大株主に名を連ねる「OD05」という謎の投資家がいる。その正体はどうも中国マネーらしい・・・今週の日経ヴェリタス(1/30号)からメモ。
「OD05」が大株主として初めて登場したのは2008年3月末。投資先はソニーと大阪ガスの2社で、金額も457億円にすぎなかった。
リーマン・ショックを経た09年3月末では三菱重工など12銘柄、1192億円に増え、10年3月では37銘柄、6641億円に。10年9月末までの半年で90銘柄、1兆6151億円に加速した。特徴的なのは、ひとたび買った銘柄は手放さず、一貫して買い増していることだ。今年3月末には保有額が2兆円を突破する可能性も高い。
その正体を突き止める糸口は、正式名称「SSBT OD05 Omnibus China Treaty」に出てくるChina(中国)の文字と、所在地がシドニーという情報だ。
あるカストディアンのシドニー拠点を使っている中国系投資家の存在が判明。株主調査会社への取材も合わせて、OD05はかなりの確度で中国の政府系ファンド(SWF)であるということが分かってきた。具体的には「中国投資(CIC)などの運用資金が入っているのではないか」という。
東京市場の時価総額は約320兆円なので、中国マネーが日本企業のオーナーとして1%のシェアを持つ日も遠くなさそうだ。
・・・中国投資(CIC)は資産規模3000億ドルという世界有数の政府系ファンド、とのこと。そのCICの国際顧問を務めるのが西室泰三・東芝相談役。インタビュー記事の中で西室氏は、CICについて「実際に日本株投資をしていると思いますよ」と語る。「CICはカナダやオーストラリアで資源・環境関連の大型投資に積極的ですが」、「バランスの取れた資産構成にするためには、日本株も視野に入れざるを得」ないということで、「身構える必要は全くない」とも指摘する。
いずれにせよ、世界第2位の経済大国となった中国は、資金運用者としても急速に存在感を高めていくということだな、当然ながら。
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