2018年7月 7日 (土)

「死刑あり」は日米中など56ヵ国

本日付日経新聞「きょうのことば」(死刑制度)からメモ。

死刑制度なし(106ヵ国)
オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、アイスランド、イタリア、メキシコ、モンゴル、オランダ、スイス、英国など

通常犯罪で廃止(7ヵ国)
ブラジル、チリ、イスラエルなど

事実上廃止(29ヵ国)
ミャンマー、ロシア、韓国、スリランカなど

死刑制度あり(56ヵ国・地域)
日本、米国、中国、北朝鮮、台湾、ベトナム、タイ、アラブ首長国連邦、インド、イラン、イラク、シンガポールなど
(2017年12月末時点)

国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」によると、17年の死刑廃止国は00年に比べ1.4倍の106ヵ国に増えた。一方、17年に死刑を執行したのは23ヵ国にとどまる。主要国では日本や米国、中国などわずかだ。日本は国連から廃止勧告を受けるなど、国際社会から厳しい視線が注がれている。

・・・日本国内では、死刑制度について「やむを得ない」という意見が8割を占める(内閣府調査、14年)という。

6日にオウム死刑囚7人の死刑が執行された。ここまでくれば教祖はやむを得ないとしても、教団幹部6人を一度に処刑したことに対しては、すんなりとは受け入れがたい感覚がある。

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2018年1月15日 (月)

「チェコのトランプ」は日系人

日本生まれの外国人では、ノーベル賞作家カズオ・イシグロが今一番注目の人物なんだろう。じゃあその次はというと、チェコの日系人政治家トミオ・オカムラかも知れない。反EU、反イスラム主義を打ち出すオカムラは、「チェコのトランプ」と呼ばれているそうだ。昨年、日経新聞(11/18付)記事で知り、「こういう人がいるんだ、へぇ~」みたいな感じだったが、小学館の雑誌「サピオ」最新号にもインタビュー記事が掲載されたので、以下にメモする。
 
トミオ・オカムラ(日本名:岡村富夫)/チェコの第三党「自由と直接民主主義」(SPD)党首。1972年、東京生まれ。5歳でチェコに移住。18歳で日本に渡るも、3年半でチェコに帰国。その後、日本語教室や日本人観光客向けのガイドで成功。2012年に無所属で上院議員選挙に当選。15年にSPD創設。
 
(オカムラ氏の話)
「チェコ人によるチェコ人のための国」。ここに、私の目指す政治がある。われわれ(人口1057万人)は、EU離脱をもっとも強く願う国民だ。
建前上、EUは多様性を求めているが、現実は難民や移民による治安悪化は免れない。さらには、チェコ人から仕事が奪われている。それはおかしい。そんなごく当たり前のことを、私は提言しているに過ぎない。
様々な誤解が広まっているが、SPDが掲げる要の政策が「直接国民投票」だ。国の政策は国民が決める。これこそ、私が理想とする社会であり、チェコ共和国の姿である。国民の85%がEUに不満を抱いてる。これを実現できれば、チェコは、自ずと“チェグジット”(チェコのEU離脱)に向かうだろう。
私には大統領になりたいという野心はない。今はチェコ人のための政策を一歩一歩進めるだけである。
 
・・・経済優先主義により、労働力として移民を受け入れると、国民生活の社会的安全性が損なわれるという不安や反発から、ヨーロッパの「右傾化」現象は強まっているようだ。
島国ニッポンは、移民問題にまともに向き合っているとはいえないが、遠くない将来、人口減少から経済が移民なしには成り立っていかない状況に直面した時、移民との関わりは避けることのできない問題として現れてくるのだろう。そう考えると、ヨーロッパの右傾化問題も他人事とは言えなくなる。

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2018年1月13日 (土)

グローバル化の「反動現象」

NHK-BS1「欲望の資本主義2018」(1月3日放送)、チェコの経済学者トマス・セドラチェクとドイツの哲学者マルクス・ガブリエルの対話の場面から以下にメモ。
 
ガブリエル:皆がポピュリズムと言うが、それは無意味で的外れな診断だ。これはグローバリゼーションに対する抵抗の一種じゃないかな。グローバリゼーションは基本的に経済プロセスだから、起きていることを経済的に説明しなくてはならない。政治的にではなくね。ドイツの人口の12.6%が排外主義に目覚めて投票を決めたわけではない。そうではなく、むしろ地球のあちこちで不公平を目にするようになったためと考えた方が良い。
 
セドラチェク:この状況を表すうまい言葉が見つからないが、もう人々が「いい人」でいられなくなったのかもしれない。「なぜ私が助けなきゃいけない?」とね。「私のことは助けてくれてないのに」ってね。何というか・・・キリスト教文化の反応は、イスラム教の国々の反応よりも極端に経済的なものだった。イスラム教の国々は実際はるかに多くの数の難民を受け入れている。
 
ガブリエル:悪というものを今一度考えてみる必要がありそうだね。どんな組織もどんなシステムも時間を経て自身を維持するためには、他のシステムを排除しなければならない。外部がないシステムは、内部に「異質なもの」を作り出さなければならない。これが悪のダイナミクスだ。確かにグローバリゼーションは、新たな悪を生み出したのかもしれないね。資本主義は国家というよりも経済的な帝国だが、帝国は内部から悪を作り出すのだ。これが「ナショナリズム」などが復活している背景なのだろう。
 
・・・グローバル化の中で強まる「ポピュリズム」「右傾化」「ナショナリズム」とは結局、グローバル化の「反動現象」以上の意味は持たないように見える。グローバル経済のもたらす競争や格差の中で、一部の大金持ちを除く大部分の人々から余裕が失われて、誰もが「いい人」でいることは難しくなり、「自国ファースト」「自分ファースト」になっているということか。

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2017年12月31日 (日)

存在感高まる「中世都市」

29日付日経新聞の「私見卓見」コラム(グローバル化で復権する中世都市)からメモする。筆者は今年、『ポピュリズムとは何か』(中公新書)が話題になった、水島治郎・千葉大学教授。

ルターが始めた宗教改革はカトリック教会という普遍的な権威を失墜させ、それぞれの領土の中で国家が絶対的な権限を独占する主権国家が主役を張る近代への道を開いた。

2017年は国民国家の礎を築いた宗教改革から500年の節目だったが、逆に国民国家モデルの揺らぎが目に付いた。このモデルの本家といえる欧州では、スペイン・カタルーニャ州の分離独立問題をはじめ、地方による自立の動きが活発だ。10月にはイタリアの北部2州で自治権拡大を求める住民投票が行われ、スコットランドでも独立問題が再燃している。偶然の一致ではない。
注目すべきはいずれも中世以来の有力都市が中心になっている点だ。伊ロンバルディア州はミラノ、ベネト州はベネチアを抱える。近年、分権派が躍進するベルギー北部フランドルも、アントワープなどの自立した都市が欧州広域の経済圏を掌握して発展した。

中世の都市復活の背景にあるのはグローバル化だ。国家が独占管理してきたヒト、モノ、カネが国家の枠を超えて動き始め、さらにインターネットの登場で情報も国境を越えるようになった。国家の枠が緩むことで、押さえこまれてきた都市のアイデンティティーが再び頭をもたげてきたとみるべきだろう。

EUは地域や都市を直接支援するなど、地域分権を推進してきた。地域と超国家体が国家をバイパスして結び付く姿は、教会や皇帝といった普遍的権威が自治都市と併存した中世と重なり、「新しい中世」ともいえる。

・・・コラムは、過去500年の国民国家モデルに捕われることなく、現代社会の変動に向き合う姿勢の大切さを示唆しているが、ルターの宗教改革開始から、ウェストファリア条約締結による主権国家体制確立まで130年間。現在が歴史の転換期であるとしても、新しい社会モデル――「新しい中世」の他にも、ポストモダンやポスト資本主義など呼び名は様々だが――の姿が見えるまでは、まだ相当時間がかかりそうだ。

ところで「中世都市」復権と、ポピュリズム台頭はどう絡むのかと考えてみると、グローバル化に適合する「中世都市」含む大都市VSグローバル化に抵抗する地方という図式になり、ポピュリズム(疑似ナショナリズム)は後者から強く現れているという感じかな。

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2017年10月21日 (土)

無党派票、立憲民主に集中?

衆院選の比例区で、無党派の票が立憲民主党に大挙流入する可能性が出てきたと、日刊ゲンダイDIGITALの本日付発信記事が伝えている。自分も比例は立憲民主でいいか、と思っていたところなので、やっぱりおいらは典型的無党派層だなと納得である。同記事からメモする。

朝日新聞が17、18日に実施した世論調査に自民党が衝撃を受けている。「比例区の投票先はどこか」と政党名を挙げて聞いた結果は、自民は34%と2週間前(3、4日)の35%とほとんど変わらなかったが、立憲民主党が7%から13%へ倍増しているのだ。

朝日新聞の調査は、9月26、27日も行われている。自民は32%→35%→34%、希望も13%→12%→11%と、ほとんど数字が動いていない。要するに、これ以上、支持が広がらない頭打ち状態。なのに、立憲民主党だけがグングン数字を伸ばしているのだ。

「まだ投票先を決めていない」有権者は、29%→27%→23%と少しずつ減っている。無党派が立憲に流れているのは間違いない。いざ投票となったら、まだ23%いる「投票先を決めていない」無党派が雪崩を打って立憲に「比例票」を投じておかしくない。23%の半分が上乗せされるだけでも、立憲は24%となる。

定数176の比例の議席によって選挙結果もガラリと変わってくる。立憲民主党は、比例だけで40議席を大きく超える可能性が高い。
政治評論家の本澤二郎氏が言う。
「立憲民主党は選挙区に63人、比例単独を15人擁立しています。たとえ選挙区で負けても、次々に比例復活し、結果的にほぼ全員当選という事態もあり得ます。もし、立憲が50議席以上を奪って野党第1党になれば、選挙後にも絶大な影響力を発揮することになります」

・・・個人的には立憲民主支持の、ここまでの拡がりには意外感がある。「リベラル」に期待する人は、もうそんなに多くないだろうと思っていたので。こうなると、党首に対する信頼感の違いかなという感じもあり、「リベラル」に懐疑的なワタシも、比例区では枝野代表に入れるつもりで立憲民主党に一票投じようかと。

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2017年10月20日 (金)

保守とリベラル、何が何だか

「政治の世界で使われる保守やリベラルという言葉の定義は必ずしも明確ではない。なかでも使う人や文脈によって意味が変わり、中身が分かりにくいのがリベラルという言葉だ」――19日付日経新聞政治面記事(「保守」「リベラル」曖昧)が指摘している通りだな、と思う。同記事から、保守とリベラルの定義についての識者の意見をメモする。

保守やリベラルは定義が曖昧で、時代とともに変わっている。保守は伝統や手続きを重んじ、自民党が掲げてきた。リベラルは冷戦終結後に保守と革新の対立が成立しなくなり、自民党の保守の対抗概念として打ち出されたものだ。
本来、リベラルは個人の自由を重んじ国家の役割を小さくする立場。日本では憲法改正反対などがリベラルとされており、本来の意味とは少し異なった使われ方をしている部分もある。(岩井奉信・日本大教授

リベラルは権力を持つ人間から価値観を押しつけられない、干渉されないという立場だ。
保守は常識や経験知、慣習などを重んじる考え方を指す。原点はフランス革命を疑ったことにある。
合理主義を進めれば良い社会になるという近代主義的な左派の思想を疑い「常に人間は間違える可能性がある」と考える。(中島岳志・東京工業大教授

経済政策での「保守」は、政府の関与を抑えて市場に委ねる小さな政府をめざすことを、「リベラル」は政府主導で需要をつくる大きな政府を志向することを、それぞれ意味する。自民党は保守政党とされるが、政府主導で賃上げや働き方改革を促しており、経済政策ではリベラルの色が濃い。野党も希望の党が掲げる企業の内部留保の活用や、日本維新の会が持論とする教育無償化など、リベラルな政策は多い。(小峰隆夫・大正大教授

・・・「自主憲法制定」を結党以来の党是とする自民党。「保守」を掲げる政党が改憲を志向するのに対抗して、護憲を打ち出す政党は「リベラル」となる。というのも分かるような分からんような。
経済政策では、財政出動や社会福祉などに積極的な、大きな政府を志向するのは「リベラル」。政府の役割は小さくして市場に任せるのが「保守」ということだが、これが「市場原理主義」まで突き進むと「ネオリベラリズム」(新自由主義)と呼ばれたりする。どうも「リベラル」と「リベラリスム」は別物らしい。こうなるともう何が何だか。(苦笑)

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2017年10月 3日 (火)

民進党分裂でスッキリ感

安倍首相の強引とも見える衆議院解散が、急激かつドラスティックな野党再編を誘発して、解散時には思いもよらなかった選挙戦の構図が出現した。以下に本日付日経新聞の社説(政策本位の野党再編であれば悪くない)からメモ。
 
民進党が保守系とリベラル系に分裂した。希望の党への合流を巡り、排除された枝野幸男代表代行らが新党結成へと動き出した。衆院選目前のドタバタ劇にはあきれるが、結果として政策本位の野党再編につながるならば必ずしも悪い話ではない。
 
民進党の前身の民主党は1996年、保守系の新党さきがけとリベラル系の社民党の出身者によって生まれた。自民党出身者らもなだれ込み、この20年あまり、終始一貫して「寄り合い所帯」の感があった。
憲法や外交・安保などの政策課題で党内に常にあつれきがあり、協議をしても結論を先送りすることが多かった。
リベラル系の離脱によってようやくすっきりしたといってよいだろう。
 
この結果、今回の衆院選は保守系の自民・公明、希望・維新、リベラル系の民主・共産の三つどもえになることがほぼ確定した。選択の構図がくっきりし、有権者は投票しやすくなった。
 
・・・以前の野党4党(民進、共産、社民、自由)共闘には、個人的には違和感しかなかったので、3極に整理されて分かりやすくなったのは結構なことだと思う。しかし好き嫌いは別にして、小池都知事は大したもんだな。細川、小沢、小泉に学んだ政治テクニックを総合的に(劇場政局の剛腕展開とでも言おうか)実践している感じだ。この小池氏の突破力に、前原民進党代表の文字通り破壊的とも思える決断力が加わり、有権者に対する「非自民、非共産」の選択肢提示が実現化したといえる。リベラルは所詮批判勢力でしかないのは明らかで、政権担当能力を有する保守二大政党に向かうのは時代の流れだろう。希望・維新の代表は二大都市の知事でもあり、「地方分権」を重視する保守政党として、自民党との違いを打ち出すことは可能だと思われる。一方で、希望・維新は「改憲勢力」であることから、意外と安倍自民党の目指す憲法改正が進めやすくなる可能性もある。唐突に決まった感のある今回の衆院選だが、日本政治の意外に重要な分岐点となる可能性もあるような気がしてきた。

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2017年9月 2日 (土)

米朝の「冷戦」状況

アメリカの識者は、米朝は「冷戦」状態にあるとの認識を示している。本日付日経新聞国際面記事(止まるか挑発・北朝鮮情勢を聞く)から以下にメモ。
 
北朝鮮は世界、特に日米韓が核兵器保有国と認めることを要求している。
米政府はまず朝鮮半島の非核化という考えを捨てる必要がある。実現の見込みがなく、交渉戦略や目標にはなり得ないからだ。次に北朝鮮が核保有国だと認めなくてはならない。さらに対北朝鮮政策が抑止と封じ込めだと明確に表明すべきだ。
トランプ政権はいまだに非核化に固執しているが、これまでにあらゆる政権が失敗してきた。現実を受け入れなくてはならない。これは北朝鮮との新たな冷戦なのだ。
(マイケル・オースリン氏、米スタンフォード大フーバー研究所フェロー)
 
制裁などの圧力によって北朝鮮に完全で検証可能な核放棄に向けた交渉に応じさせる、という従来の政策は土台が崩れている。北朝鮮が交渉に興味がないのは明白だ。
我々は北朝鮮の技術的能力と政権の寿命を過小評価していた。米韓同盟を強化し、必要なら朝鮮半島に軍事力を追加配備しなければならない。また中ロから北朝鮮に対し、攻撃は容認しないという明確なメッセージを送らせる必要がある。
長期的には、北朝鮮の内側からの平和的な政権の変革を目指す。いずれも困難で時間がかかるが、最善の道だろう。冷戦時に近い状況といえる。
(マイケル・メイザー氏、米ランド研究所上級研究員)
 
・・・自分が子供の頃、第三次世界大戦はアメリカとソ連が核ミサイルを撃ち合って決着を付ける、というイメージが流布していたと思う。冷戦の終結と共に、その「悪夢」も過去のものになった。はずだったのに、冷戦終結後四半世紀を経て、その可能性が「縮小再生産」された形で復活するとは想像もできなかった。
冷戦時のソ連解体を思えば、北朝鮮も内部崩壊を待つしかないのかも知れないが、そこに至る具体的な道筋は今のところ見えない。緊張を孕んだ困難な状況が長期化してしまうのか。

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2017年8月11日 (金)

アメリカ大統領は「外弁慶」

アメリカ大統領というと強大な権力を持っている。ように思えるけど、実はできることは極めて限られている、らしい。「日経おとなのOFF」9月号特集「日本と世界の大問題なるほど!講座」の中の解説を、以下にメモする。
 
アメリカ大統領が強い権限を持つのは、外交と軍事だけ。外交では条約を締結する権限を持ち、軍事では軍の最高司令官となっている。
アメリカから見て外国にいる人々(例えば日本人)が、アメリカ大統領のニュースに接するのは、まさにその外交と軍事の場面だろう。
 
だが、その外交と軍事に対してさえ、権限は絶大とはいえない。例えば外交だと、条約の締結はできるが、上院で3分の2以上の賛成による批准が必要。
また軍事でも、大統領は軍の最高司令官なのに、宣戦布告する権限を持っていない(議会が持っている)ため、戦争を始めるときには、事前に議会の同意を得るようにしている。
 
国内政治に至っては、できないことばかりだ。まず予算の編成ができない。予算編成権は議会が持っている。法案を議会に提出できない。アメリカではすべて議員が法案を発議する議員立法である。
 
では、国内でできることは何か。まず、一般教書や予算教書という形で、議会に対して勧告すること。ただ、あくまで勧告なので、議会にとっては参考意見の扱いだ。次に、議会が作った法案を拒否すること。3つ目は大統領令を出すこと。ただし、これは行政部門に対する命令でしかない。
 
こうして見ると、アメリカ大統領は、外国では華々しく活躍する、内弁慶ならぬ"外弁慶"と評するのがぴったりのようだ。
 
・・・ということでアメリカ大統領は、とりあえず外交と軍事では充分圧倒的な権力を行使する姿を演出できる。とすれば、内政面に停滞感が強いトランプ大統領が外交面に突破口を見出そうとする、つまり北朝鮮攻撃に踏み切る可能性も低いとは言い切れないだろうなあ。

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2017年7月 9日 (日)

都民ファーストの勝利に思う

今日の中京テレビ「そこまで言って委員会」で、都議選の自民党惨敗の原因について、司会の辛坊治郎が叫んでいた。「選挙結果について東京でやってる分析は全部間違ってる。森友も加計も稲田も豊田も全く関係ない。都民ファーストという自民党に代わる受け皿にみんなが投票しただけなんだ。それはかつて大阪維新の会がやったことが東京で起きただけなんだ」と。同感する。

この番組は東京では放送してない。自分は春から名古屋にいるので、この番組を見ているわけだが、もし転勤しないで東京にいて選挙の日を迎えていたら、候補者の情報を眺めながら、もう自民党のオヤジ政治も嫌だし、今回は若い人や女性に入れとくか、何か素人くさいし少々頼りないけどな・・・と思いつつ、都民ファーストに投票したのではないかと思う。

国政の問題、森友学園や加計学園が地方選の投票行動を大きく左右するとは思えないし、稲田大臣はまたかという感じだし、 豊田議員に至っては言及するのもバカバカしいというか。これらの問題が自民党惨敗の要因とか言われると苦笑するばかりだ。

結局自分のような消去法的な「今回はこっちでいいや」という態度の人も含めた票の積み重ねが、結果的に都民ファーストの大勝につながったという印象。だからとにかく急ごしらえながら、「受け皿」を作って用意した小池都知事の作戦勝ちであり、その実行力はやはり大したもんだとあらためて感じる。

ちらほら指摘されてるように、都民ファースト圧勝は、フランスのマクロン大統領率いる政党の大勝利と、確かによく似ている。その意味するところは、既成政党への不信感はどうしようもなく強いということ。そしてまた、とにかく既成政党ではない新しい「受け皿」が出てくれば、とりあえず任せてみる、という度量も先進国有権者にはある、ということなんだろうと思う。

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