映画「バラキ」(DVD)
マフィア映画「バラキ」のDVDが新たにリマスター版で登場。
自分にとってマフィア映画といえば、少年の頃にほぼリアルタイムで見た70年代前半の「ゴッドファーザー」「バラキ」「コーザ・ノストラ」3作品に尽きる。このうち「ゴッドファーザー」はフィクションだが、あとの2作は実録物で、特に「バラキ」はマフィアの歴史の映像化として価値があると思う。しかも今回の新商品には、日本語吹き替え音声が収録されているのだが、それが何と当時のテレビ「土曜映画劇場」放映時のもの(ほぼ完全版)なのだ。個人的にも「バラキ」は映画館でなくテレビで見たので、「良く残ってたな~」と結構感慨モノなのである。ビデオの無い時代、テレビの映画劇場全盛(毎日夜9時どこかの局でやってたって感じ)の頃には、洋画の吹き替えでは主な役者に特定の声優さんが当てられていて、その一人がチャールズ・ブロンソンの声=大塚周夫。この映画でもバラキを演じるブロンソンの声は大塚さん。大ボスのジェノベーゼ(リノ・バンチュラ)の声は森山周一郎。森山さんの代表作はジャン・ギャバンか。いずれにしても渋い。この他にも羽佐間道夫、小林清志など名前に覚えのある声優さんが集結して、それぞれの特徴ある声で「男の世界」が繰り広げられているので、マフィア映画ファンならば買っておいて損はない。
マフィアという犯罪組織の歴史は、たぶんバラキの告白によって明らかになった部分も多いと思うのだが、その最も重要な時期は1931年の4月から9月にかけての半年間だろう。マッセリア射殺による内部抗争(カステラマレーゼ戦争)の終結、そしてその勝者であったマランツァーノを殺害してマフィア組織を近代化したルチアーノ。「バラキ」ではこの経緯が割とじっくり描かれている。(この辺は、「コーザ・ノストラ」では開巻5分程であっさり終わってしまう。加えて全体的に地味なストーリー展開なので、何というか、マフィア映画としては正直物足りないのだよな。でも、この映画のジャン・マリア・ボロンテ演じるルチアーノは実にハマリ役。)
「バラキ」のバイオレンス・シーンで強烈なのは、アナスタジアが床屋で射殺される場面だろう。血で赤く染まるシーツ、最後に止めの一発、マフィアの容赦ない仕打ちに恐怖を通り越して呆気にとられるばかりだ。
もうひとつ、ボスの女に手を出した男の末路もまさに「ぎゃあああ~」って感じでしたよ。
マフィアは自分たちの目的を達成するためには、暴力という手段も積極的に採用する極端な集団だ。しかしながらマフィア、ナチス、新選組など「極端な集団」は、その極端さゆえに人間の集団の本質を見せてくれるような気がする・・・ということで、この危険な男たちに関心を寄せてしまうワタシであった。
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