Z世代と核兵器
戦争や核兵器に対して、若い世代は深刻な感覚を持っていないみたいだし、それは世界的傾向のようでもある。「ニューズウィーク日本版」4/16号の映画『オッペンハイマー』特集記事の一部を、以下に引用する。
アメリカでは今や人口の40%以上が、1981年以降に生まれたミレニアム世代とZ世代だ。彼らは第2次大戦に関する知識が驚くほど薄い。ヒロシマと原爆は知っているが、その開発や日本に投下するという決断については、ほとんど何も知らない。実際、この世代の大多数は、第2次大戦のアメリカの同盟国と敵国はどこかという質問にさえ答えられないのだ。
彼ら若い世代の70%近くが核兵器は非合法化しなければならないと考えているが、一方で、『オッペンハイマー』のクリストファー・ノーラン監督の息子の言葉にうなずく人も多いだろう。Z世代である息子は父親の新作のテーマを聞いて、「核兵器や戦争について本気で心配する人はもういない」と言った。
ノーランはこう答えた――「たぶん心配したほうがいい」。今は若い世代にも心配している人が増えただろう。『オッペンハイマー』の観客の3分の1以上は32歳以下だ。
・・・自分の子供の頃は、第3次世界大戦はアメリカとソ連が核ミサイルを撃ち合って決着をつける、という話がフツーに流布していたし、映画やマンガやプラモデルで戦争を学んだという記憶がある。確かに冷戦が終わりソ連が終了して、「最終戦争」が起きる可能性は殆ど無くなったし、それに伴い、戦争や核兵器についてあれこれ考える必要性が低下したとは思う。けれども昨今、ロシアやイスラエルの行動を見ても、今度はポスト冷戦の時代が終わったと思わざるを得ない状況だ。言い換えれば、またもや戦争や核兵器について本気で心配しないといけない時代に入った、ということかもしれない。
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