従業員エンゲージメント、低水準
『日経ビジネス』1/29号特集は「エンゲージメント崩壊」。記事からメモする。
米ギャラップによる世界各国の従業員エンゲージメントの調査では、仕事への熱意や職場への愛着が強い「エンゲージしている従業員」の割合を算出。日本は22年度時点で5%と、4年連続で過去最低だった。データがある125カ国中ではイタリアと並ぶ最低の数値だ。反対に、「エンゲージしていない従業員」の割合が72%に上った。いわゆる「ぶら下がり社員」である。日本のエンゲージメントはもはや崩壊していると言っていい。
終身雇用・年功序列型賃金といった日本型雇用の環境下では、時間をかけて社員を育てる徒弟制度的な色合いが濃かった。転職を当たり前と捉え、成果を上げるまでのスピードを重視する今の若手社員と、会社との間で「成長する」ことに対する時間軸がずれてしまっていることが、日本のエンゲージメントの低さの根底にあるのだ。
企業のパーパス(存在意義)が明確になっているか、経営者がリーダーシップを発揮できているかなど、エンゲージメントの構成要素は多種多様だ。業種や職務などによって各要素の重要度も異なるが、権限委譲(任せる)とフィードバック(伝える)、心理的安全性(認め合う)の3つは、多くの企業に共通する重要な因子と言える。
崩壊状態の日本のエンゲージメントだが、この3つの要素がしっかり根付けば、徒弟的な❝やらされ仕事❞の風土が薄まり、ぶら下がり社員は減っていくだろう。今からでも遅くはない。エンゲージメントを立て直す時だ。
・・・若手社員は転職を当たり前と考えている、とのことだが、今どきは中高年にも転職したい社員は多いだろうから、転職したくても転職できない社員がいっぱいいるということが、エンゲージメントの低下につながっている、のかもしれないな。
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