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2023年4月 1日 (土)

今の中ロは1930年代の日独

昨日3月31日付日経新聞オピニオン面のコラム記事「1930~40年代繰り返すな」(ギデオン・ラックマン氏)から、以下にメモ。

米ハーバード大学の政治学者グレアム・アリソン教授は、習近平氏のモスクワ訪問によって中ロの間には「世界で最も重要な宣言なき同盟」、つまり、ユーラシア大陸を横断する中ロの枢軸関係が存在することが明白になったと指摘する。

このロシアと中国の同盟に対抗するのが、米国と密接な同盟関係を結んでいる複数の民主主義国家だ。同陣営は、大西洋をまたにかけた軍事同盟の北大西洋条約機構(NATO)と、日本を筆頭とするインド太平洋地域のアジア諸国と米国の同盟関係によって、強固な関係を築いている。

対立する2つの陣営が世界に出現したことで、新たな冷戦が始まったとの議論が沸き起こっている。新冷戦も米ソの冷戦と明らかに似たところがある。つまり、中ロが米国を中心とする民主主義諸国を敵視する一方、今回もいずれの陣営とも同盟関係を結んでいない多くの途上国(最近は「グローバルサウス」と呼ばれている)が、どちらにもつかないで両陣営の動きをそばでみている点はそっくりだ。

しかし、歴史を振り返れば米ソ冷戦時代以上に今の状況に似た時代がある。それは世界各地で緊張が高まった1930~40年代だ。当時も今と同じく、欧州とアジアの2つの権威主義国家が、英米が不当に世界を支配しているとみなし、強い不満を抱いていた。30年代にそうした不満を抱いていたのは、ドイツと日本だ。

欧州で戦争が始まり、東アジアで緊張が高まるなか、これら2つの動きが互いに結びつきを強めつつある現状は、まさに1930年代を思い起こさせる。

・・・今の権威主義国家は、ソフトな全体主義国家。1930年代の全体主義国家は結局、世界大戦に負けて民主主義国になった。そして冷戦時代の資本主義、社会主義、第三世界の構図から、今は西側陣営、中国とロシア、そしてグローバルサウスの3つに色分けされる世界に移った。経済はグローバル化して、その恩恵を中国とロシアも受けてきたはずなのだが、その両国が軍事行動の横暴により、グローバル経済にひびを入れたのは皮肉な事態とも言える。しかし世界大戦が不可能であるならば、相互依存状況の強まった世界経済の中で、あの手この手で経済的不利益を被らせることにより、権威主義国家をさらにソフトにするしかないのだろう。

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