PBR1倍割れ=統治改革「不発」
本日付日経新聞記事「統治改革仕切り直し」からメモする。
日本経済新聞社の集計では東証株価指数(TOPIX)500に入る大企業のうち、株主から預かった資本の価値を損なっている「PBR(株価純資産倍率)1倍未満」は3月末時点で43%を占める。
PBR1倍割れは、企業の自己資本利益率(ROE=稼ぐ力)が株主の求める最低リターン(資本コスト)に達していないことを示す。
15年、金融庁と東証は政府の成長戦略の一環で、企業に株主を意識した経営を促す「コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)」を導入した。ところがPBR1倍割れの割合はむしろ増加している。15年時点でTOPIX500に入る大企業のうち1倍未満は24%。その後8年間でほぼ2倍に増えた。
低PBRの大きな原因は、手元資金の積み上がりだ。企業は本来、事業で稼いだ資金を次の成長に向けた研究開発や設備投資、M&A(合併・買収)に振り向け、持続的な企業価値の向上を狙う。余分な資金は自社株買いや配当で株主に還元し、市場の評価を高める。
日本企業はどちらも不十分だった。手元資金は22年末時点で約100兆円まで積み上がったままだ。ROEは21年度で9.7%と、二桁台の欧米に見劣りする。
東証は3月31日、プライムとスタンダードの2市場に上場する約3300社に対して、資本コストや株価を意識した経営に関する具体策の開示や実行を要請した。
・・・最近しばしば目に付く、PBR=ROE×PERとの解説。すなわちPBRを上げるには、上場企業は利益率の高い、効率の良い経営でROEを高め、さらにはIRで企業戦略を投資家に周知してPERを高めることが必要、らしい。
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