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2023年1月26日 (木)

「レオパルト2」戦車、ウクライナへ

日経新聞電子版25日配信記事「最強戦車レオパルト2を供与へ なぜドイツは迷ったのか」から以下にメモする。

ドイツが「世界最強の主力戦車」とされるドイツ製レオパルト2をウクライナに供与する見通しとなった。しかし決断には時間がかかった。なぜドイツは迷ったのか。

「いまのウクライナ情勢をみていると第2次世界大戦中の独ソ戦をほうふつさせる」。それがドイツ政界関係者の偽らざる心境だ。キーウ(キエフ)、ハルキウ、ドニエプル川、アゾフ海。戦場の地名は第2次世界大戦中のものと重なる。

「正直言ってレオパルト2とロシア製戦車の戦闘はみたくない」とドイツ与党幹部は取材に語った。いまウクライナは戦争の被害者であり、侵略者から領土を守る立場だ。それでも心理的な壁がある。

負の歴史を背負うドイツとしては、自らが北大西洋条約機構(NATO)とロシアの戦争の引き金を引くのは絶対に避けたい。戦後ドイツは「過去への謝罪」に膨大な労力を費やした。その努力が無駄になるリスクがある限り、ドイツ政治は動けない。

慎重居士のショルツ首相は決断のタイミングを探っていたようだ。核保有国の米英仏の3カ国が供与に動くのをじっと待ち、足並みをそろえた。特に米国の意向を気にしていた。動きの鈍さが国内外で批判されたが、「追い込まれた末の決断」という印象のほうが好都合と思っていたフシすらある。

・・・ウクライナは独ソ戦の戦場である。自分のように昔、田宮模型のタイガー戦車やT34戦車を作り、ソ連映画「ヨーロッパの解放」を観た者には、今のウクライナ戦争にはデジャブに近い感覚がある。そうでなくても近年、日本の読書界では『独ソ戦』『戦争は女の顔をしていない』『同志少女よ、敵を撃て』が多くの読者を獲得するなど、ちょっとした「独ソ戦」ブーム。ただの偶然にしては余りにも摩訶不思議なシンクロだ。この現実を、どう理解すれば良いのやら。

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