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2022年11月26日 (土)

ロバート・フリップ「音楽は一つだ」

「ギター・マガジン」12月号、ロバート・フィリップのインタビュー記事から、以下にメモする。

スコッティ・ムーア、あとはチャック・ベリー、ジェリー・リー・ルイスから生粋のパワーを感じたのは・・・私が11~12歳頃のことだった。
だが、13歳になった頃からジャズに興味が湧いてきた。
やがて17歳を迎えた頃には、いわゆるクラシック音楽というやつの、修練を要する側面に惹かれるようになった。これは何も特別なことじゃない。ビートルズだって、60年代のイギリスのロック・インストゥルメンタルだって、当たり前のようにクラシックから影響を受けている。

リッチー・ブラックモアのアウトロウズを観たのも17歳の時だったが、彼のギターは驚異的だったね。あの時のリッチーはわずか18歳だが、すでに熟達していて、音楽面でもプレイの技術面でも、ただただ圧倒された。

私はバルトークの「弦楽四重奏曲」とストラヴィンスキーの「春の祭典」からクラシックを聴き始めた。ほどなくして見出した❝音楽は一つだ❞という結論が、私の音楽性、そしておそらく価値観、および人生観のターニング・ポイントとなったよ。
「春の祭典」やバルトークのクラッシュ・コードはどうやって生み出されたのだろう? ジミ・ヘンドリックスの「Purple Haze」やビートルズの「A Day In The Life」「I Am The Walrus」が、すべて冒頭の一小節目から信じがたいパワーで私を釘付けにするのはなぜだろう? そんなことを、一つの音楽という大きな枠組みで境目なく考えるようになった。

私は大勢の若手プレイヤーから、時にはすでに地位を確立したギタリストからも、❝結局自分はクラプトンのようになりたかっただけなんだ❞と打ち明けられた経験がある。私がこの発言に引っかかる理由はわかるだろう? 私は彼らとは違うところに目標を据えていたからだ。・・・最終的に、私の中でこの問題は、想像の世界へと昇華していったけどね。❝もしヘンドリックスがバルトークの「弦楽四重奏曲」を演奏したらどうなっただろうか?❞というような。

・・・若きロバート・フィリップが若きリッチー・ブラックモアのギタープレイに圧倒されていたというのは、70年代ティーンエイジャーにとってはとっても興味深い話。
そしてまた、とっても単純に考えると、ジミヘンがバルトークを弾いたらキングクリムゾンになった、と思っていいのかもしれない。

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