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2022年9月18日 (日)

堀内誠一の「ぐるんぱ」

先日、「堀内誠一 絵の世界」展(神奈川近代文学館、25日まで)を観た。名作絵本として知られる『ぐるんぱのようちえん』の絵を描いた人である。

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『ぐるんぱのようちえん』は1965年発行。1959年生まれの自分は、まさに幼稚園児の時に読んで強く記憶に残った。現在まで240万部を発行しているという。
ひとりぼっちでぶらぶら、めそめそしていた象の「ぐるんぱ」は、仲間の象に送り出されて、人間の世界に働きに出る。行く先々の仕事場で超特大のビスケット、皿、靴、ピアノ、スポーツカーを作っては次々にクビになってしまう(今から思うと何でも作れるのが凄い 笑)が、最後はそれらを使って子供たちの遊び場となる幼稚園を作る、というお話。失敗ばかりしていたぐるんぱだけど、最後には自分の居場所を見つけることができて本当に良かったなあと(子供の頃そこまで考えてないけど)思える、とても好きな絵本だった。ロングセラーになっているのも分かるなあ。

さらに私事につなげると、堀内氏は1932年(昭和7年)、東京・向島生まれ。生まれ年は自分の母親と同じ、出生地は自分が卒業した小学校のある地域。

展示作品の大部分は絵本や挿絵などの作品。そのほかエディトリアル・デザイナーとしての仕事もあり、雑誌「アンアン」「ポパイ」「ブルータス」のタイトルロゴ・デザインの作者でもある。

幼少の頃、自分はそれとは知らず堀内氏の描いた象の「ぐるんぱ」が深く心に残り、10代後半以降も、それとは知らず堀内氏がロゴ・デザインした「ポパイ」や「ブルータス」に親しんでいたのであった。

堀内氏は、詩人の谷川俊太郎や文学者の澁澤龍彦とも交流していた。谷川とのコラボには『マザー・グースのうた』の挿絵がある。

絵本を中心に多方面に才能を発揮した堀内氏は1987年、54歳で急逝。早すぎる死であったとしか言いようがない。

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