「シン・ウルトラマン」の科学
映画「シン・ウルトラマン」には、プランクブレーン初め訳の分からない専門用語が散りばめられている。監修を担当した京都大学の橋本幸士教授に、日経新聞が取材。本日付記事「シン・ウルトラマンの物理学」から以下にメモする。
映画では、ウルトラマンや宇宙人が「複数」の宇宙を行き来する不思議な世界が描かれる。この世界観をつくっているのは「余剰次元」と「ブレーン宇宙」だ。いずれも超ひも理論にもとづく。
物質を細かくしていくと、素粒子と呼ぶ粒になる。大きさは1ミリメートルの10の15乗分の1よりも小さい。超ひも理論では、素粒子は極微のひもでできており、大きさはさらに小さい。その世界では空間は9次元ある。前後、左右、上下方向の3次元に広がる現在の常識と大きく異なる。つまり6つの次元が余計に存在し、余剰次元となる。映画では「高次元」「6次元」という言葉が使われた。
余剰次元は、私たちの身の回りのあちこちに存在する。しかし素粒子よりも小さい世界に丸まり、光のもととなる素粒子の光子すら入れない。人間はその存在に気づけない。科学技術が進んでも、観測は不可能だと考えられている。
なぜ、余剰次元は小さいのか。宇宙誕生の大爆発であるビッグバンの前、宇宙は素粒子くらいの大きさだった。ビッグバンの直後、9次元の空間のうち3次元の空間だけが急速に膨張し、今のような世界ができたと考えられている。
超ひも理論によると、宇宙はブレーンと呼ばれる膜のような存在だ。9次元空間の中に、ブレーンが幾つも浮かぶ。人間や星などは、3次元空間のブレーンに閉じ込められている。
物理学者たちは、私たちがいる宇宙とは違う宇宙が別のブレーンに存在すると考えている。並行宇宙と呼ばれる仮説だ。映画では、ウルトラマンや宇宙人はブレーンの間にあたる並行宇宙を行き来する。
別の宇宙とつながった時空のトンネルであるワームホールを使うことは、理論的には可能だ。別宇宙への往来というアイデアは、荒唐無稽な話ではない。
・・・超ひも理論の描く世界は、多くの物理学者が数学的に検証して「ほぼ正しい」と考えられている、そうだ。もう素人には訳わからんが、とにかく宇宙というのは摩訶不思議な存在だ、としか言いようがない。(苦笑)
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