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2022年7月22日 (金)

成長戦略は恐ろしく困難

本日付日経新聞オピニオン面エコノミスト360°視点「成長戦略を巡る不都合な真実」(筆者は門間一夫氏、日銀出身)から、以下にメモする。

持続可能な経済成長率のことを潜在成長率という。中長期的な経済の「実力」と言ってもよい。それが日銀の最新の推計ではわずか0.2%である。

潜在成長率を高めるには構造改革が必須である。別の言葉では成長戦略とも言う。だから有識者やメディアから「成長戦略を強化せよ」との批判が聞かれるが、いくつか認識しておくべき現実もある。

第一に、他の先進国より日本の潜在成長率が低いのは、人口減少・少子高齢化による面が大きい。
第二に人口動態を前提とするなら、経済成長には生産性の上昇が必要である。ただ、頑張ればできるというほど簡単なことではない。
第三に、日本はこれまでも不断に改革努力を行ってきた。日本は四半世紀以上もその時々の英知を集め、可能な改革には取り組んできたのである。

こうすれば必ず経済成長が起きるという実行可能な政策は簡単に見つかるものではない。ただ、どのみち取り組まねばならない課題は多い。全世代型の社会保障の充実、教育の質とアクセスの向上、脱炭素化の推進、科学技術や文化の振興、災害への強靭な対応力などである。
共感できるテーマに向けて国が腰を据えて動き出せば、民間はそこに必ずビジネスチャンスを発見する。関連分野での投資、人材育成、雇用が誘発される可能性は高まるだろう。

・・・90年代後半橋本政権の行財政改革に続き、2001年から小泉政権「構造改革」が始まり、2008年リーマン・ショック以降の「成長戦略」への取り組みの流れから第二次安倍政権の「アベノミクス」と続いたものの、いずれの改革も充分な成果を出す前に終了となった感が強い。そもそも構造改革や成長戦略とは、規制緩和など制度改革を伴うものであるから、実行を決めるまでに既得権層に対する説得など時間がかかり、実行できても効果が出るのにまた時間がかかる、という感じ。こんな調子だから、たくさんの頭の良い人がたくさんの提案を行っているのに、世の中はなかなか良くならないのだろうな。

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