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2022年7月20日 (水)

安倍政権の企業統治改革

本日付日経新聞オピニオン面コラム記事「安倍ガバナンス改革の功績」から、以下にメモする。

安倍元首相は、日本市場の歴史に残るブレークスルーを成し遂げた。企業統治(コーポレートガバナンス)改革だ。
安倍元首相は、具体的に何をしたのか。
まず、14年に年金基金や資産運用会社が株主としてなすべき規範を記す「スチュワードシップ・コード」を策定。これにより、株主に企業との対話を促した。翌年には企業の責任を示す「コーポレートガバナンス・コード」をつくり、株主との対話に前向きに応じるよう求めた。この項目の一つに入ったのが「社外取締役の選任」だ。

改革はなぜ成功したのか。第1に、ガバナンスを成長戦略として位置づけたことだ。それまで企業統治や社外取締役が議論されるのは、企業不祥事がきっかけになることが多かった。コンプライアンス(法令順守)としての統治論であり、不祥事を起こさない企業には無関係と見なされがちだった。
発想を切り替え、社外取締役の役割は経営者に成長投資を促すことと再定義したのが、安倍改革だった。「攻めのガバナンス」という標語も、企業にとり取締役会改革を促すうえで有効だった。

安倍流ガバナンス改革が成功した第2の理由は、法律ではなく規範(コード)に訴えた点だ。伝統的な統治論は、社外取締役の設置を会社法で義務づける点にこだわった。これだと、社外取締役が手当てできない企業は法を犯すことになり、処罰されかねない。保守的な大企業が反対した大きな理由だ。
そこで安倍政権は金融庁や証券取引所がコードを策定し、「原則として内容に従うべきだが、できない場合は理由を説明してほしい」という方針を打ち出した。

安倍政権は財政・金融政策に比べ、構造改革が物足りないとも批判された。そんななかで企業統治は数少ない改革の成功例だ。

・・・攻めのガバナンスは、どこまで企業価値の向上に寄与したのか、実証的分析はなかなか難しい。しかし、上場会社には社外取締役がいるのが当たり前、という空気感を作りだしたのは、やはり安倍改革の大きな功績だろう。

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