« 株主第一主義は要修正としても | トップページ | アトムよりも鉄人28号 »

2022年5月 3日 (火)

映画「気狂いピエロ」

ジャン=リュック・ゴダール監督の「気狂いピエロ」が、リバイバル上映中。主演はジャン=ポール・ベルモンド。なので、昨年死去したベルモンドの追悼上映、らしい。自分がこの映画を観たのは1983年のリバイバル上映。ラストシーンが強烈だった。それ以外は覚えていない(苦笑)。今回、39年ぶりに鑑賞。

お話は掴みどころのない、とりとめのない展開だし、リアリズムで映像を作っているわけでもなく、基本、引用だらけの独白小説ならぬ独白的映画。とりあえずベルモンドのしなやかな身のこなしと、アンナ・カリーナの思わせぶりな眼差しにより、映画として成立している。のか。
結局やっぱりラストシーンが強烈。しかし最後のランボーの詩の訳が昔と違うような・・・「太陽と共に去った海」?・・・記憶にあったのは小林秀雄訳の「海と溶け合う太陽」なのだが・・・。900円を出して買ったパンフレットに、その辺の事情が書いてあった。やっぱりお金を出さないと得られない情報もある。

パンフレットに載っていたのは、翻訳字幕を作った寺尾次郎氏(1955-2018)が書き遺した話。それによれば、ラストシーンで語られるランボーの詩は「地獄の季節」の一節ではない。新訳を手掛けた時に、寺尾氏は「発見」したという。以下にパンフレット掲載文からメモする。

『気狂いピエロ』の、あまりにも有名なラストシーンに2人が語るランボーの「地獄の季節」の一節、「また見つかった/何が/永遠が/太陽と共に去った海が」。映画で引用されたこの詩が、「地獄の季節」(1873年)の中の「ことばの錬金術」とは異なる異句(題名は「飢餓」)であることを、恥ずかしながら初めて気づいた。僕が当時見た字幕の記憶では「海と溶け合う太陽」という「地獄の季節」の小林秀雄訳に近いものだったと思うのだが、今回、翻訳し始めて原文が違うので調べたところ、なんとランボーがその1年前の1872年に書いた「永遠」という詩のほうだった。

・・・うーん、そうなのか。しかし「地獄の季節」ではないと言われても、何かビミョーな気分。小林秀雄訳がカッコイイせいからか。やっぱり「海と溶け合う太陽」で良いような気がしてしまう。(苦笑)

|

« 株主第一主義は要修正としても | トップページ | アトムよりも鉄人28号 »