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2022年3月17日 (木)

「新冷戦」の武器は経済力

本日17日付日経新聞、イアン・ブレマー氏の寄稿文(後戻りできないロシアと世界)から以下にメモする。

ロシアのウクライナ侵攻は多くの人を不確実な状況に陥れたが、一つだけ確かなことがある。ロシアと西側諸国はいまや戦争状態にあるという点だ。いままでで最も厳しい経済制裁を科し、殺傷能力の高い武器をウクライナに供与し、ロシアを孤立させようとする欧米の取り組みは宣戦布告に等しい。プーチン大統領の譲歩という、いまや想像しがたい事態が起きない限り、ロシアと西側は「新冷戦」に直面する。

だが、こうした対立は多くの点で、20世紀の冷戦ほど危険ではないだろう。ロシアの国内総生産(GDP)は米ニューヨーク州よりも小さく、低迷するロシア経済は制裁により、今後1年間で10%以上縮小する可能性が高い。かつロシアの金融システムは、崩壊の危機にひんしている。

ロシアとの関係強化が懸念されている中国はどうか。中ロ関係ではロシアの立場が弱い。ロシアの10倍の経済規模である中国は、ロシアが西側に売れなくなった石油・ガス、鉱物などを買い、ロシア経済を支えるとみられる。中国の将来は経済成長できるかどうかにかかっており、欧米とつながり続けられるかがポイントになる。中国政府はロシアのウクライナ侵攻を非難しないだろうが、西側の制裁にある程度は従う可能性が高い。

ロシアは、ウクライナをプーチン氏の支配下に置くために攻撃を続けるだろう。だがロシア軍が全土を制圧したとしても、ウクライナ国民は戦いを止めず、西側の首脳はウクライナを支援し続けるだろう。史上最も厳しい制裁はさらに強化されることになる。新冷戦への道はもはや後戻りできない。

・・・この記事について日経新聞編集委員は、「新冷戦」の主戦場は経済であり、どちらが先に消耗するかの持久戦でもある、とコメントしている。残念ながら冷戦の歴史は繰り返されてしまったが、直接的な暴力以上に、経済力を武器にして戦うというのが、今起きている「新冷戦」の新しさなのだろう。

プーチンの起こした戦争の結末はウクライナ軍の全滅か、ロシア経済の大幅悪化か。極端に言えばどちらが先か、というチキンゲームの様相であるようだ。

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