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2022年3月15日 (火)

国連、「オワコン化」が明瞭に

ロシアの蛮行により、国連の国際秩序維持機能の無力化が明らかになった。本日付日経新聞オピニオン面コラム記事(国連、これでいいのか)よりメモする。

ロシアによるウクライナへの侵略は、平和を保つための国際社会の機能がまひしている現実を突きつけた。その最たるものが、国連の安全保障理事会だ。
安保理に求められるのは「平和の番人」の役割で、その権限も与えられている。平和を脅かす国には制裁を決定し、国連メンバーはそれに従う義務がある。
ロシアの侵攻を受け、安保理は2月25日に急きょ、会合を開いた。だが、制裁はおろか、非難決議すらも採択できなかった。
常任理事国の米英仏中ロは決議への拒否権を持っている。ロシアはこの特権を使い、これからも制裁案を葬るにちがいない。

この状態はアジア太平洋の安定にとっても大きな脅威だ。仮に、中国が台湾に侵攻したとしても、同国の拒否権により、安保理は全く身動きできない恐れが強い。
このありさまは今の安保理体制が、もう限界にあることを示している。この体制は先の大戦直後の1945年10月、戦勝国の米英、ソ連(ロシア)が主導し、中国とフランスも加えて立ち上げた。
これら5カ国が世界秩序を支えることを想定していたが、前提は完全に崩れた。ロシアは明白な侵略国となり、中国も現秩序を守るより、曲げる側に回っている。

では、どうすればよいのか。いちばん望ましい方策は、常任理事国の拒否権に一定の制限を設け、中ロなどが乱発できないようにすることだ。
それには国連憲章を変えなければならない。憲章の改定には総会の3分の2と、すべての常任理事国の賛成が要る。実現は極めて難しいと言わざるを得ない。
そこで次善策としては、米英仏中ロの拒否権をそのままにする代わりに、安保理メンバーを増やすという道がある。
常任理事国に日本やドイツ、インドといった主要国を加えたり、現行10カ国の非常任理事国枠を広げたりする。もっとも、これも憲法改定が必要だ。

ならば、まずはウクライナ侵攻問題に焦点を絞り、常任理事国などからロシアを外すことを考えてはどうか。欧州メディアによれば、西側諸国の一部では、この案を探る動きが浮上しつつある。
ロシアは1991年に崩壊したソ連を引き継いで、常任理事国におさまった。国連憲章上、この手続きに「不備」がなかったかどうかを厳しく検証し、ロシア追放につながる根拠を探すことなどを想定しているようだ。

強制力をもつ安保理がこのままでは、世界の秩序はおぼつかない。ロシアの蛮行をもってしても改革できないとすれば、安保理が変われる日は永遠に来ないだろう。

・・・今回のロシアの蛮行は、ポスト冷戦はおろか、冷戦さらには大戦直後まで遡る、世界秩序構築のこれまでの過程を全て台無しにした、とも言える。戦勝国中心の国際秩序維持の仕組みは、もはや有効性を失った。これは新たな国際秩序維持の体制を作るチャンスとも見えるが、恐ろしく難題であることも疑いない。

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