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2022年3月21日 (月)

「冷戦後」の終わり?

本日付日経新聞コラム記事(パラダイム危機の時代)から以下にメモする。

ロシアのウクライナへの軍事侵攻からもうすぐ1カ月。冷戦後の国際秩序のパラダイム(枠組み)が大きく揺らぎ始めたのではないかという危機感を、多くの人が抱き始めている。

「マクドナルドがある国と国では戦争は起きない」。冷戦後に旧ソ連・東欧が民主化・市場化し、自由にヒト、モノ、カネが動くグローバル化が進み世界経済が一つになったので、もう大きな戦争は起こらないという説だ。90年1月にモスクワに第1号店を開き、冷戦終結の象徴となったマクドナルド。同社も今回のウクライナ危機で、ロシア国内全店の一時休業に追い込まれた。30年前の冷戦終結と軌を一にするかのように進んだ経済のグローバル化。ロシアのウクライナ侵攻は冷戦後の国際秩序を揺さぶると同時に、グローバル経済に再考を迫る。

経済政策、とりわけ金融政策はパラダイムの揺らぎに直面している。冷戦後に金融のグローバル化が進むとともに、物価情勢は1970~80年代のインフレから、ディスインフレーション(物価鎮静化)の時代に入り、21世紀に入ると金融政策はインフレ目標、フォワードガイダンス(先行き指針)など経済学者らが合議で進める枠組みが優勢になったが、その有効性が今問われ始めている。

米連邦準備理事会(FRB)は16日、2018年12月以来3年3カ月ぶりの利上げに踏み切り、インフレ退治に本腰を入れ始めた。足元のインフレは2年に及ぶコロナ禍からの需要の急回復と、サプライチェーンの途絶による供給制約という需要・供給双方の特殊要因と解釈されてきた。だが、ロシアのウクライナ侵攻に伴う原油、希少金属、穀物など国際商品の価格上昇や供給不安も重なり、国際秩序の揺らぎと同調する複合危機の様相を強めている。

コロナ禍からウクライナ危機。この2年間で世界の大変動を目撃してきた我々は、これまでは当たり前と信じていた枠組みの揺れを感じている。それは歴史が逆流していくような感覚にも似る。秩序の揺れがいずれ収拾に向かうのか、あるいは中長期の混乱の時代に突入するのか。

・・・ロシアの侵略は、この30年間の「冷戦後」の終わりを告げる出来事なのか。これにより歴史のトレンドは再び大きく変わるのか。あるいは、長期的なトレンドは変わらない中での、短期的な「反動」に止まるのか。しかし後者の場合でも、「冷戦後」の枠組みの修正は必至だろう。いずれにせよ我々が一定の認識を得るまでには、いましばらく時間を要すると思われる。

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