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2022年3月18日 (金)

法人はヒトでありモノである

昨日17日付日経新聞「経済教室」(揺らぐ資本主義①、執筆者は岩井克人先生)から以下にメモする。

会社の株主は会社資産のオーナーではない。株主が会社は株主のものだと信じて、会社のお金を勝手に寄付したら窃盗罪で逮捕される。この株主は他人のお金に手をつけたからだ。
この場合、「他人」とは誰なのか。それは「法人」としての会社である。会社とは単なる企業ではない。法人となった企業なのだ。

では法人とは何か。「本来は人ではないが法律の上で人として扱われる物」のことだ。それは物と人の二面性をもつ不可思議な存在である。本来は組織という抽象物にすぎない会社は法人であることで、自らの名前で資産を所有できる。会社のお金を所有するのは株主でなく、法人としての会社にほかならない。
では株主とは誰なのか。読んで字のごとく、株式の持ち主(所有者)である。物としての会社を所有する人が株主である。

会社は2階建て構造をしている。2階では株主が物としての会社を所有し、1階ではその会社が法律上の人として資産を所有する。物であり人という会社の二面性が、株主に所有される物と、会社資産を所有する人として、見事に使い分けられている。

2階を強調すれば会社の物としての側面が強まり、株主利益の道具として振る舞い始める。例えば会社買収を恐れる経営者は、株価を高める経営をするようになる。これに対し1階を強調すれば会社は人としての側面が強まり、例えば経営者を頂点とする従業員組織の維持や拡大を目的に組み込むことが可能になる。(さらに)地域社会への貢献や地球環境の保全といった社会的な目的を組み入れることに、理論的には何の障害もない。

・・・「会社が利潤以外の目的を持つことは資本主義の否定ではない。逆に拡張である」と考える岩井先生は、会社の持つ技術やノウハウなどの知的資産を活用すれば、社会問題は解決できるし、限界に直面している資本主義の変革も可能だと考えている。

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