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2021年12月23日 (木)

皇位継承の危機は続く

本日付日経新聞記事(皇位継承、本質の議論を)から以下にメモする。

政府の安定的な皇位継承に関する有識者会議が22日に公表した最終報告は、問題の「根治」ではなく、塗り薬で痛みをやり過ごすような内容だ。

まず「皇位継承とは切り離して、皇族数の確保が喫緊の問題」との認識自体が本質からの逃げである。問題の本質は「持続可能な皇位継承制度」ではないのか。
公務を担う皇族が足りないという議論は本末が逆で、皇族数に合わせて公務を調整するのが筋である。

主題が皇族数確保にされたのは、保守派の反発が強い女系継承議論を避けたいという心理からきている。公務の担い手確保という方便で、まずは婚姻による女性皇族の流出を防ぐ。女系継承は将来の課題として先送りする。
女系反対派はその意図を百も承知で、女性宮家を否定した。その後、公務の担い手不足の方便を逆手にとる形で、皇族数確保が本質のような議論にすり替わり、女系の検討は後景に退いた。

男系継承が天皇の絶対的原理かどうかの議論はさておき、科学的な視点でいえば、一夫一婦制のもとで男系継承が持続する確率はきわめて低い。
自然の摂理に反した幸運に期待し、ダメなら天皇制の消滅を受け入れるのか。それとも知恵を絞って継承の確率を上げ、国民が親しんできた「象徴天皇」そのものを残すのか。その選択を真正面から問う議論をやり直すべきではないだろうか。

・・・日経新聞は意外に皇室関連で骨太の内容の記事を書く印象がある。現状、保守派は非現実的な理想論に固執し、その保守派に対して腰が引けた議論が行われる。要するに、皇位継承の危機をまともに考えている人など誰もいないのだ。もはや天皇制は実質的にオワコンになっている。

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