「ハイリスク・ハイリターン」とは
投資の世界でいう「ハイリスク・ハイリターン」とは、リスクを多く取ればリターンも多く得られる、ではない。『あなたが投資で儲からない理由』(大江英樹・著、日経プレミアシリーズ)から以下にメモ。
投資の世界においてよく使われる「ハイリスク・ハイリターン」という言葉がある。どうもこの言葉については間違った理解をしている人が多いようだ。
間違いの最たるものは、この言葉の意味を「リスクの高いものはリターンも高い」と理解していることだ。ところがこれは明らかな間違いである。ハイリスクのものは決してハイリターンではないのだ。
リスクというのは結果の不確実性のことを言う。したがって「リスクが高い」というのはブレ幅が大きい、すなわち儲かる場合と損する場合の差が大きいということを表わしている。「儲かるか損するかわからないし、その差は大きくブレる」ということになるから、リターンが高い(=たくさん儲かる)とは言い切れないはずだ。
ところが多くの人は金融機関などから間違った説明を受けてしまった結果、「たくさんリスクを取ればたくさん儲かる」と勘違いをしてしまうことになる。
では「ハイリスク・ハイリターン」の正しい意味は何か。それは「高いリターンを求めると必ずリスクは高くなる」ということである。
別な表現をすれば「大きく儲けようと思うと大きな損も覚悟しなければならない」というごく当たり前の話となる。リスクが高いということは、大きく儲かる可能性があるのと同じぐらい大きく損することもある、ということである。
たくさん儲けたければたくさん損をする可能性も覚悟しなければならないし、損をするのが嫌であればそれほど高い利益を期待することはできない。これは投資においてはごく当たり前のことであり、この原理原則をきちんと理解していないと失敗する。
・・・「ハイリスクはハイリターン・オア・ビッグロス」と言わなきゃいけないかな。
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