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2021年9月 4日 (土)

「FIRE」の基本的考え方

日経新聞「FP山崎のLife is MONEY」(執筆者はFPの山崎俊輔氏、8月の連載記事)から以下にメモする。

米国で流行しているFIREというムーブメントが日本でも話題となっています。FIREというのはFinancial Independence,Retire Earlyの略です。経済的な独立を果たせるだけの資産形成を行い、早期リタイアの実現を目指す取り組みを指します。

FIREというと、資産運用のテクニックに注目が集まります。しかし、米国のFIRE本をいくつか読んでみると、むしろ「仕事をしっかりやること」にページが割かれています。FIREへの取り組みの第一歩は「資産運用」ではなく「キャリアアップ」なのです。今の会社でもし年収を高めたいなら何が必要かを考えることがFIREへのチャレンジ最初のステップです。自分に欠けているものは何か見極め、ビジネススキルを高めることで年収増を目指します。

しかし、高年収を獲得したからといってFIREに達するわけではありません。むしろ、どんなに多く稼いだとしても「節約」を意識しない限りFIREどころか60歳まで働き続けることになります。「年収が増えても生活水準は現状維持」とするくらいが理想的なFIREチャレンジです。キャリアアップと徹底的な節約の合わせ技は頑張れば頑張るほど効果が生じてきます。ただし、削りすぎて無味乾燥な人生とならないような「ほどほどの支出」も意識したほうがいいでしょう。

FIREという壮大な夢を実現するためには、しっかり稼ぎ、できるだけ多くの収入を得ること、そして節約と無駄のない消費によって収入の多くを資産形成に回すことが欠かせません。しかしもう一つのステップも重要です。「資産運用」つまり資産の利回りを向上させる試みです。基本的に高いリターンを獲得しようとするなら、高いリスクを受け入れる必要があります。しかし、基本的にリスクの取り過ぎはおすすめしません。インデックス運用を活用し、確実に市場全体の平均リターンを獲得するほうがいいと思います。

・・・FIRE実現の3本柱は、キャリアアップ(年収アップ)、節約、資産運用。「今の楽しみ」のためにお金を使わず、「将来の安心と楽しみ」のために経済的に備える。FIREの基本的な考え方は、資産形成やマネープランニングの基本的な考え方とも一致する、と山崎さんは述べている。確かにFIREは、基本的な資産形成行動の加速化と徹底化と言えるだろう。でも極端化すると、「今の楽しみ」がなあんにも無くなっちゃうので、そこは程々にしないとね。

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