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2021年6月 9日 (水)

サスケ、お前を斬る!

現在NHKEテレの番組『趣味どきっ!』では、昨秋放送の「本の道しるべ」シリーズ全8回を再放送中。出演している文化人は知らない人ばかり(タレントの渡辺満里奈だけ知ってる 苦笑)なのだが、本と本屋さんをテーマにした番組ということで、先日とりあえず第2回(歌人の穂村弘が出演)を流し見していた・・・ら、穂村さんが突如TVアニメ「サスケ」冒頭ナレーションの部分を朗読したのに意表を突かれた。TVアニメの中にも「詩」がある、その事例として読み上げられたのは以下のナレーション。

光あるところに影がある。まこと栄光の影に数知れぬ忍者の姿があった。命をかけて歴史を作った影の男たち。だが人よ、名を問うなかれ。闇に生まれ、闇に消える。それが忍者の定めなのだ。――サスケ、お前を斬る!

何で?と思って穂村さんは何年生まれか見ると1962年。若く見えるけど自分の3つ下、概ね同年代。自分もなぜか「サスケ」が好きで、白土三平の原作コミックスは全15巻持ってたし、TVアニメ(昭和43年~44年放送、もう50年も前なのか)も毎週欠かさず見ていた。今も記憶に残る、哀愁感漂うBGMをバックに流れる名調子の語り。それを全く予期せぬ形で耳にしたものだから、滅茶滅茶意外感があった。正直自分は、短歌というジャンルには全く関心がないので、穂村さんのことも全く知らなかったけど、これで一方的に親近感がわいてしまった。

実は最近、たまたま思い立って、サスケの原作とTVアニメ両方の全巻を見直したところだった。昔、原作を読んだ時は、物語の後半3分の1は、子供心にも随分と暗い印象を受けたものだった。理由や都合は分からないが、TVアニメも原作の途中で終了し、物語の最後まではアニメ化されていない。原作は後半になると、サスケが敵と戦うよりも、人間同士の争いに巻き込まれるようになり、主人公としての印象もボヤける感がある。ので、少年忍者サスケの成長物語としては、TVアニメは程よいところで「完結」したと思う。

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