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2021年1月28日 (木)

幸福とは調和の感覚

トマ・ピケティら優秀な教え子を持つ経済学者ダニエル・コーエン。有能な教師でもある彼の考える幸福とは。『新しい世界』(講談社現代新書)所収のインタビュー記事からメモする。

基本的には、人の幸せとは周りとの関係から生まれます。
単純化してしまうと、ヒトは社会で生きることを尋常でないほど切望する動物なのです。人にとっての成功とは、何か絶対的な基準があるわけではなく、つねにほかの人と比較してのことなのです。
私が資本主義の世界に関して残念に思うのは、お金が人間関係においてこれほど大きな意味を持つようになってしまったことです。

(幸福になるためには)人とともに生きること、信頼できる友人を持つこと、ほかの人との競争をできるだけ敵意のないものにすること。
いずれにせよ幸福を目標としてとらえるのはよくないですよね。「幸せになろう」と思ってもうまくはいきません。アリストテレスだったかと思いますが、幸福は報酬であり目標ではないと言っています。目標とすべきは、近しい人とともに時間を過ごし、その人たちを助けたり、会話をしたりすることです。家族や友人だけでなく、交流の範囲をもっと広げるのもいいかもしれません。私は教師なので、自分の教え子がそれぞれの進む道を見つけたときには大きな満足感を覚えます。

心掛けるべきなのは、自分の内の調和を保ち、周りの人とも調和を保つことです。

・・・成功は目標になるが、幸福は目標にはならない。それは目指すべき状態ではない。日々の暮らしの中で生まれる他者との交流、共感、調和の感覚を味わうこと、それが幸福であると考えてよいのだろう。

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