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2020年12月 9日 (水)

米国の経済格差と政治的分断

本日付日経新聞総合面コラム記事「真相深層」(米、経済格差で思想極端に)から、以下にメモ。

米国の分断をあらわにした大統領選から1カ月あまり。
大統領選の一般投票でバイデン氏は初の8000万票を集めたが、トランプ票も約7400万票と歴史的な水準だ。
政敵を露骨に罵るトランプ大統領。これに乗る左右のメディア、そしてSNS(交流サイト)。分断の原因はさまざまだが、構造的な要因は経済の格差だ。

最近ではダラス連銀の研究者らが「経済格差と政治の分断には明確な因果関係がある」と結論。そこでは以下のような力学が働いたという。
▶格差で米国の共同体としての意識が低下し、政治の分断が加速
▶政治の分断で政策が停滞し、格差に拍車
▶力をもつ富裕層が自らに有利な制度変更を働きかけ、格差を増幅

一方、格差そのものより格差が心理に及ぼす影響に注目するのが、ノースカロライナ大のキース・ペイン教授だ。人は常に自分と他者を比べ、下位に置かれると憤り、極端な考えを宿す。疎外感を抱く人々は、人生に意味を見いだそうと宗教や政治信条に深入りする。保守、リベラルの人とも元の立場がより極端になり、反対側の人々への敵対心を強めるという。
まさに米政治の縮図。トランプ大統領は格差が生んだこうした社会心理に便乗し、旋風を巻き起こしたともいえる。
「青い州(民主党支持)も赤い州(共和党支持)もない。われわれは合衆国だ」。バイデン氏はそう融和を呼びかけるが、それには経済格差と国民の意識の両面で対応が求められる。

・・・コラム記事は最後に、米国社会には深い亀裂が残っているだけに、再び「トランプ的」なポピュリズムが勢いづかないとも限らない、と結んでいる。今の世界では米国に限らず、あちこちの国で経済的格差が政治的分断を増幅し、ポピュリズムが跋扈している。この状況を克服するためには、良くも悪くも「社会主義」的な発想や政策が、改めて強く求められるのかもしれない。

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