« 母の教えを守るということ | トップページ | 木村九段、藤井二冠撃破(NHK将棋) »

2020年11月16日 (月)

押井監督の憲法論

コアなファンが多い(のではないかと思う)アニメ映画の監督、押井守がインタビュー形式で日本社会・文化を縦横無尽に語る。新刊『押井守のニッポン人って誰だ!?』(東京ニュース通信社・発行)は、一見雑談風ながら、時たま放たれるラジカルな認識が痛快。以下に、憲法を語る部分からメモする。

民主憲法、平和憲法、いろんな呼び方があるけど、わたしに言わせればマッカーサーを略してマック憲法。
国の交戦権を否定している憲法なんて、わたしに言わせれば反近代です。前近代どころか反近代。近代国家というのはみんな自衛権を認めていて、交戦権もあれば戦争する権利もある。ただし、侵略戦争をしちゃあダメという申し合わせはあるけどね。
どの国の憲法にも独自のスタイルがある。独自の歴史的背景を背負って存在している。ところが、マック憲法だけは歴史的根拠もへちまもない。一種の理想だけで作られているんです。集団的自衛権にしろ、日米安保条約にしろ、戦後の日本史はことごとく、この憲法を拡大解釈して裏切ってきた歴史なんですよ。

日本の歴史は小さなタブーを潰していく一方で、大きなタブーをスルーし続けてきた。その大きなタブーこそが、マック憲法と天皇制。

わたしは改憲派じゃないし、改憲するべきだと思っていない。廃棄するべきだと思っている。(聞き手から「過激ですね」との反応)
だってそうでしょ。あれは占領軍が作った憲法なんだから、本来なら講和条約を結んで独立したときに、日本人の手によってもう一度作り直すべきだったんですよ。民主主義から天皇制に至るまで、全部もう一度、考え直して新しく作る、それがわたしの考えです。

・・・押井監督の「過激」な意見に対し、自分的には異論はない。憲法のスクラップアンドビルド、やれるものならやりたいが、既に高齢社会に突入した日本では、憲法に限らず、何事かを変えようというエネルギーが失われつつあるように感じる。正直小生は悲観的です。

|

« 母の教えを守るということ | トップページ | 木村九段、藤井二冠撃破(NHK将棋) »