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2020年4月15日 (水)

革命的投信に、新型ウイルスの打撃

日経新聞記事「分散投資が効かない 人気ファンドにコロナの誤算」(13日付電子版、14日付朝刊)から以下にメモする。

あるファンドが逆境に立たされている。日興アセットマネジメントが運用する「グローバル3倍3分法ファンド」の基準価格が急落したのだ。
18年10月に設定した3倍3分法ファンドの昨年の資金流入額は5276億円。日本の公募投信の中で実質的にトップだった。
ファンド名の「3倍」は、3倍のレバレッジを効かせるという意味だ。実際は、少ない証拠金で持ち高を増やせる先物取引を活用する。「3分法」は株、不動産(REIT)、債券の3資産への分散投資を指す。株20%、REIT13.3%、債券66.7%の比率に分けた上で3倍のレバレッジをかければ、株60%、REIT40%、債券200%に膨らむ。株とREITで期待リターンを高めながら、債券で全体のリスクを抑える算段だ。レバレッジの仕組みを長期投資のために初めて導入したという意味で、革命的な商品だった。
3倍3分法の売れ行きをみて、他の運用会社も追随。ライバルの設定が相次ぎ、合計の残高は一時1兆円を突破。投信業界の一大勢力に成長した。
そんな順風満帆な運用環境が一気に暗転したのが、新型コロナの感染拡大で米国株が崩れた2月下旬だった。3倍3分法ファンドの基準価格は2月21日から3月19日にかけて37.1%下落した。同期間の下落率が30%程度だった日米の株価指数を超える下落を余儀なくされた背景には、3つの誤算がある。
1つ目は、株と債券価格の逆相関が崩れたことだ。コロナの感染拡大を恐れた世界の投資家が、現金を求めて株も債券も投げ売りしたからだ。期待した株と債券の分散効果は働かなかった。
2つ目は、REITの下落が株以上に大きかったことだ。日米のREIT指数の下落率は40%を超えた。株の下げを相対的にリスクの低いREITで一部相殺するという分散投資のねらいが、ここでも外れた。
3つ目は環境が急変しても資産配分を変えないという「設計」だ。基準価格の値下がりが小幅にとどまったファンドには、環境悪化時に株やREITの組み入れを引き下げて、運用リスクを落とす機動的なリスク管理手法(リスクパリティ戦略)を導入している商品が多い。コロナショックの際は、相場のボラティリティーの上昇を受けて、リスクパリティ戦略を採用する世界の投資家が、リスクを落とすために一斉に株も債券も投げ売ったとみられる。株と債券の分散効果が効かなくなった3倍3分法ファンドは、こうしたリスクパリティ勢のリスク管理のあおりを受けたともいえる。

・・・リスクパリティに従った投資家の動きが資産価格の暴落を招くというのは、「合成の誤謬」(不景気だからといってみんなが節約するとますます不景気になる)みたいな話だな。株もREITも米国債も金も売られて、欲しいのは現金だけという市場では、どんなに工夫された投信でも打撃を免れることは不可能だ。自分も3倍3分法投信は持ってるので、痛感しました。はあ。

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