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2020年3月28日 (土)

「アルゴリズム相場」と向き合う(続)

日経新聞(3/27付)連載記事「科学と心理 市場急変に迫る」から、以下にメモする。

株式相場乱高下の根底にあるのは「人間の恐怖心」
「確かにアルゴリズムのようなコンピューター取引の普及により、売買執行のスピードを速めてしまった部分はあるかもしれない。だが、そもそも機械自体は感情を持たず、『コロナ=売り』という判断はできない。売りたい人がたくさんいる状況で、売りを実現するためのツールとしてアルゴリズム取引がある。株価変動の出発点はあくまで人間心理の悪化だ」(ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント計量運用部長の内山雅浩氏)

売買執行やリスク管理の手法が相場変動拡大につながる場合も
「取引の大半を大手金融機関だけではなく、HFT(高速取引)などの業者が同時にマーケットメークしている。はるかに速く多くの取引を低コストで処理できるため良い面の方が大きいが、日中の値動きが激しすぎる場合はどうしても売りと買いの提示値が開き、変動幅が大きくなりやすくなる」(同)
「リスクを抑えようとするターゲットリスクファンドや、各資産のリスクが均等になるよう分散投資するリスクパリティの台頭も変動を大きくさせ得る。今回のようにリスクが高まり過ぎると、リスクを下げるために株売りの取引を実行せざるを得ない。それが結果的にリスクを高め、また次のアンワインド(巻き戻し)を生むという負のスパイラルが働く」(同)

・・・迅速に価格形成や取引執行する効率的なシステムは平時は良いのだが、ひとたび波乱が起きると恐ろしく破壊的に作用するということを、今回の株価大暴落は示している。

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